米Sun Microsystemsと有力パートナー数社は28日(米国時間)、電子商取引の際のコーディネーションを行うWebサービスの新たな仕様を発表し、標準化への承認を求めていく予定だ。
Sun、米Oracle、アイルランドのIona Technologies、米Fujitsu Software、英Arjuna Technologiesの各社は、数週間以内にWS-CAF(Web Services Composite Applications Framework)という新しい仕様を、W3C(World Wide Web Consortium)もしくはOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)に提出し、標準化へ向けて働きかけていく。
3つの仕様で構成されるWS-CAFは、ビジネスプロセスが複数あるステップにおいて、多くのシステムを跨いでのトランザクションを調整する仕組み。この仕様の作成者は、Webサービス間の相互作用をシンプルにすることで、企業がWebサービスを用いて迅速にビジネスアプリケーションを組み立てられるようになることを目指している。
WS-CAF仕様では、さまざまなプロバイダが提供するWebサービスアプリケーションが、トランザクションに関する重要な情報を共有できるよう、前もって調整されたやり方でシステムの設定を行う。たとえば、WS-CAFをベースにした管理ツールなら、消費者がオンラインでバケーションの予約を行う際に、交通機関、レンタカー、ホテルの3つの予約が、確実に一度で行えるようになる。
現在のビジネスシステムにはすでに、異なるシステムを跨いだ進行中のトランザクションの状態を共有するメソッドがある。WS-CAF仕様は、複数のプロバイダが提供しているこの機能を標準化することで、相互運用性を強化できる、とIonaの最高技術責任者、Eric Newcomerは述べている。
SunのWebサービス標準グループ・マネージャ、Ed Jolsonは、Sunが率いる同グループは、標準化のプロセスにおいて、他のITベンダーの意見も集めるつもりだと語っている。
WS-CAFの開発にコミットしている企業のなかには、米IBMや米Microsoftなど、Webサービス標準化に関して大きな影響力を持つ業界大手の名前がない。IonaのNewcomerによると、Microsoftは約1年前、同仕様の開発に関する誘いを断ったという。また最近では、IBMにも参加を持ちかけたが、WS-CAFを支持するグループに参加するかどうかを、IBMはまだ決定していないようだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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