サン・マイクロシステムズは24日、同社の次世代データセンター構想N1における最初の製品を発表した。N1は、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのコンピューティングリソースをひとつの集合体として機能させ、データセンターの稼働率と効率化向上を実現するというもの。今回発表されたのは、ブレードサーバに対して仮想化ソリューションを提供するソフトウェア、N1 Provisioning Server 3.0 Blades Edition。同社プロダクトマーケティング部本部長、山本恭典氏によると、ブレード仮想化製品は業界初だという。
サンのN1と同様の取り組みは、他社からもIBMのオートノミックコンピューティング、HPのユーティリティデータセンターソリューション、NECのVALUMO、富士通のトリオーレなどが発表されているが、これらはすべてサービスを提供する側の視点ばかりで、「顧客の声が反映されていない」と山本氏。カスタマー営業担当常務取締役の細井洋一氏も登場し、「これまでにもよい製品を提供している自信はあったが、やはり顧客の悩みを積極的に聞いてみようと感じた」という。「サンは変わった。N1は顧客の声を聞いて実現させるものだ」(細井氏)
サンはN1のロードマップとして、2003年上半期中にインフラの仮想化とプロビジョニング(サービス構築の事前予測)の自動化を実現させ、リソース配置、監視、リソース利用率の計測などを可能に、2004年下半期までにビジネスサービス提供のための案件に応じたプロビジョニングを提供、2005年にポリシーオートメーションを実現させるとしていた。
サン・マイクロシステムズ プロダクトマーケティング部 本部長、山本恭典氏
発表された製品は、サンが昨年11月に買収したTerraspring社の製品を元にして誕生したもの。Terraspringは元サンの社員によって設立された会社で、インフラのプロビジョニングソフトウェアで物理リソースの仮想化とプールが可能となる製品を提供していた。サンではこれに手を加え、ブレード対応製品としてN1 Provisioning Server 3.0 Blades Editionを完成させた。同製品の仮想化機能で、複数のブレードサーバをひとつのサーバとして管理することができ、システム導入の簡素化や使用率向上につながる。管理画面はGUIを採用し、ドラッグ&ドロップでハードウェアリソースやソフトウェアイメージを管理することができる。
同製品がサポートするのは、現在サンのブレードサーバのみとなっている。山本氏によると、マルチベンダ環境対応のエンタープライズ版は「年内にも発表予定」とのことだ。
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