米Microsoftは同社顧客がMicrosoftソフトウェアのために訴えられた場合の補償金について規定を改訂した。
改訂前の契約では、ボリュームライセンス契約を交わした顧客がMicrosoftの落ち度のせいで提訴された場合、一切の裁判費用を同社が支払うことになっていたものの、顧客がソフトウェアを購入した額が補償額の上限として設けられていた。また、懲罰的損害賠償金については触れられていなかった。そのため、「リスクを顧客企業に負わせている」との批判が挙がっていた。
3月1日より発効した新たな規定では、この補償額上限を取り除き、同社の責任範囲を拡大した。また、ライセンス契約の顧客に対する製品保証を90日から1年に延長した。さらに、ソフトウェアの検査に関する顧客への予告を15日前から30日前に変更した。
実際のところ、規定変更はMicrosoftの懐を痛めるものではない。というのも、同社のライセンシング担当相談役補佐のMorris Kremenが述べているように、 「補償金を支払う事態になることはめったにない」からだ。
この改訂はMicrosoftがLinuxに対抗するための武器になる。米SCO Groupは、自社のUnixコードが無断でLinuxに組み込まれているとして米IBMを提訴し、1500社のLinuxユーザーに対して著作権侵害などを警告する通知を送っている。Microsoftは「このような複雑な法律問題から顧客を守ることを約束する」としている。事実、Microsoftは5月にSCOとライセンス契約を交わした。つまり、Microsoft製品を購入していれば、SCOに提訴される可能性は低いというわけだ。
米Yankee GroupのアナリストのLaura DiDioは、「改訂によってMicrosoft顧客の不満が軽減されるだろう」とみている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス