米Microsoftが資金を提供して実施された調査で、Windows組み込みデバイスに比べ、Linuxを組み込んだデバイスを市場に出すには、コストも時間も余計にかかるとの結果が報告された。
組み込み用オペレーティングシステムは自動車、ハンドヘルド、セットトップボックスから産業用の制御装置にいたるまで、あらゆるところで使われている。
米調査会社のEmbedded Market Forecastersが今週発表したレポートによれば、Windows CEを組み込んだ製品を市場に出すまでに8.1ヵ月、いっぽうLinuxを組み込んだ製品の場合は14.3ヵ月かかり、開発にかかる所要時間の点ではWindowsが43パーセントもリードしているという。
また、エンジニアリングチームの規模を比較してみると、平均的なLinux開発チームの人数は14.2人で、Windows組み込みプロジェクト場合は7.9人だった。
さらに、費用の面では、Windowsプロジェクト開発の平均的な総費用が48万ドルだったのに対し、Linuxプロジェクトの場合は150万ドルだった。これは、両者の開発者の給料が同額だという仮定に基づいて試算したもの。こうした結果を総合すると、開発全体にかかるコストは、Windowsのほうが68パーセント安上がりになると、同レポートは述べている。
「組み込みLinuxは、特定の状況において効果的な場合もあるが、全般的には低コストや開発時間の短縮にはつながらない」と、調査責任者のJerry Krasnerは説明している。
「Windows CE、.NET、そしてWindows XP Embeddedの場合は、高い成熟度、豊富な機能、高いレベルのコンポーネント化や統合されたツールセット、そして並行開発プロセスなどにより、開発にかかる総費用を大幅に抑えることができるようだ」(Jerry Krasner)
この調査は、Linuxプロジェクト企業50社、Windowsプロジェクト企業50社の合計100社を対象に、世界的規模で行われた。
Linux支持者たちは、Microsoftがまたもやいつもの手を使って、恐れ、不安、疑念(FUD)をあおっていると非難するかもしれないが、いっぽうでLinux自体は、大手メーカー各社の間に定着つつある。
松下電器産業、ソニー、日立製作所、NECエレクトロニクス、Philips、Samsung、シャープ、東芝が、Consumer Electronics Linux Forum(CELF)という団体を結成すると最近発表した。同コンソーシアムは、家電製品へのLinuxの採用促進を目的としている。
しかし、Microsoftも黙って見ているわけではない。Windows CEオペレーティングシステムはモジュラー化が進んでおり、デベロッパーは不要なコンポーネントを省略して、フットプリントを小さくできる。また、Windows CEの核となる部分は、1インストールに付き、たった3ドルでライセンスが得られる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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