ベリタスソフトウェアは7月15日、今月はじめに発表した同社のユーティリティコンピューティング戦略についての記者説明会を開催した。同社代表取締役社長の木村裕之氏は、ユーティリティコンピューティングが水道の蛇口から必要な分の水を必要な時に必要なだけ引き出すとたとえられることを受け、「ハードウェアベースのユーティリティコンピューティングは多くの企業が進めている。われわれの戦略はソフトウェアベースで、ダムから水道の蛇口までの水の流れを管理するものだ」と語った。
ベリタスは、ユーティリティ戦略を進めるにあたってPrecise Software Solutionsの買収を完了したばかり。Preciseは世界で6000社以上のユーザーを抱えており、日本の顧客も100社を超えている。6月28日付けで日本においても合併が完了し、ベリタスでは今月より旧Precise製品であるVeritas i3とVeritas StorageCentralを提供開始している。
Veritas i3は、市場拡大が見込まれているAPM(Application Performance Management)製品だ。Eビジネスの発展でシステムのパフォーマンスがビジネスに直接影響を及ぼすことや、システムの複雑化で管理者の負担が大きくなりつつあることでAPMは注目されており、調査会社IDCでは2006年にはAPM市場が50億ドルにのぼると予測している。Veritas i3は、「アプリケーションのパフォーマンスの妨げになっているものが何か、ネットワークやストレージ、および各サーバをそれぞれ切り分けて原因をつきとめ、ユーザーに影響が及ぶ前に問題の摘出と解決を行う機能を備えている」(ベリタスソフトウェア、ビジネス開発本部シニアマネージャー、伴野満利氏)という。
ベリタスソフトウェア代表取締役社長、木村裕之氏 | |
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いっぽうのStorageCentralは、ストレージのリソース管理と割り当て管理に特化したWindows環境用の製品。ストレージの需要を自動コントロールすることで、過度の利用による障害やダウンタイムの削減、また管理コストの削減にもつながるものだ。
上記Precise製品に加えてベリタスでは、今年はじめに買収したJareva Technologiesの製品をベースにしたVeritas OpForceを先日米国にて発表している。同製品は、サーバの自動プロビジョニングを実現するもので、ネットワーク内のデバイス構成の自動検出や、これまで手作業で行っていた設定の自動化が可能となる。OpForceは米国で2003年第3四半期より提供開始予定で、日本国内での提供時期は現在検討中とのことだ。
これらの企業を買収し、新製品を追加したことで、ベリタスでは「ユーティリティコンピューティング実現のためのソリューションが揃った」としている。また、Windows、Linux、Solaris、HPUXに加えてAIXのサポートも開始、ヘテロジニアスな環境に対応することで、「既存のシステムを最大限に有効活用でき、コスト削減と信頼性の向上を提供する」(木村氏)としている。
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