台湾の電源メーカーであるパワーコム(科風)は、小型UPS(無停電電源装置)の分野で、日本市場に参入した。この6月から中小企業や家庭向けに順次品揃えを増やす。今後1年間で、およそ12万台の小型UPSを国内で販売する。
第1弾の製品は、電源タップ型のUPSで、パソコン本体の終了など制御機能を搭載して実売価格8000円前後の「WOW-300S」。これまで1万円を上回る同等・競合製品に比べて価格を安く抑えた。年内をめどに制御機能がない廉価版(実売7000円前後)も国内に投入することを検討している。
今年の夏は、首都圏で電力不足が心配されていることから「追い風になる」(日本市場を担当する蕭家キン・シニアマーケティングマネージャー)と判断して参入を決めた。今回の製品の制御はシリアルポートを使うが、今後は利便性の高いUSBを使うタイプも開発中だという。「制御」とは、停電時にパソコンを安全に停止させる機能などを指す。
蕭氏は、「米国では電力不足に陥るたびにUPSの需要が高まった。首都圏は梅雨明け後の電力不足が危惧されており、今後、夏に向けてUPSの需要が高まる。またパソコンだけでなく、HDDレコーダーやDVDレコーダーなどの保護を目的としたUPS需要も考えられる」と話す。
米国では、3000VA(ボルテージとアンペアを掛けた数値)以下の小型から中型のUPS分野で約45%のシェアをもつという。このうち約15%は、パワーコムの独自ブランドで販売し、その他約30%は、OEMで販売する。今回国内で販売するのは主に300−500VAの小容量から始める。
同社は、年商約1200億円の電源メーカーで、売り上げの約9割をUPS関連で占める。このうち約半分がOEM(相手先ブランドによる販売)で、国内では松下電池工業、ユアサコーポレーションなどに供給しているという。国内での本格的な自社ブランド製品の販売は今回が初めて。国内発売元は、ユートビア。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス