東芝(岡村正社長)は4月24日、03年3月期の連結決算を発表した。同期の売上高は前期比5%増の5兆6557億円で、純損益が185億円の黒字(02年3月期は2540億円の赤字)に回復した。コンシューマ向けデジタル製品や海外向けPC、半導体中心の電子デバイスが伸び、損益改善に寄与した。
セグメント別で増益をけん引したデジタルメディア分野は、海外向けノートPCやパソコン周辺機器、HDD/DVDレコーダなど映像関連機器、国内のカメラ付携帯電話が好調に推移。同分野の売上高は、前期比13%増の1兆6581億円にのぼった。
25日の決算説明会で島上清明副社長は「官公庁向け通信システムは減ったが、デスクトップPCのリプレース需要や米国・アジアで大幅にノートPCの売上高が伸びた。また、CD-RやDVDなど搭載のコンボドライブやHDD関連などが利益を下支えした」と説明している。
また、電子デバイス分野も売上高が前期比21%増の1兆960億円にのぼり、引き続き、「NAND型フラッシュメモリやMCPが携帯電話用に増加するほか、システムLSIも伸びる」と予測している。
今期(04年3月期)は組織変更にともなう新セグメントのデジタルプロダクツ分野が、モバイルコミュニケーション、デジタルメディアネットワーク、東芝テックの3社の売上高で前期比5%増を見込む。ただ、液晶分野は、「売価が大幅に低下している」ため、今期は150億円の減収となりそうで、「歩留まりを下げ、購入部材など外注加工費の見直しを強化したい」(同社)としている。
島上副社長は「パソコンや映像関連機器は引き続き好調を持続し、この分野は今期も増収増益を予測している。このため、同分野と半導体関連の電子デバイス分野は、積極的に設備・研究費の投資を行う」としている。今期の連結業績は、売上高が前期比1%増の5兆7000億円で、純損益も前期比215億円増で400億円の黒字になる見通しだ。
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