「あとは方法を検討するだけ」--サンがJavaのオープンソース化を約束 - (page 2)

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年05月17日 12時20分

 一方、Burton GroupのアナリストであるLyn Robison氏は、Sunの取り組みが功を奏すかどうか、まだはっきりとはわからないと話す。「Sunがどのように取り組みを進めていくのか、注目していきたい」(Robison氏)

 Sunと競合しているが、Javaの主要ユーザーでもあるIBMはJavaのオープンソース化というSunの方針を支持すると、IBMの新技術担当バイスプレジデントRod Smith氏は声明の中で述べている。

 Smith氏は、「Javaは高い人気を獲得したが、SunはこれまでJavaの公開性に一定の制限を設けてきたので、技術革新が実現する多くのチャンスが失われ、かつそのペースも鈍化していた」とし、SunによるJavaのオープンソース化に対して、IBMは喜んで手をさしのべるつもりだと記している。

 Schwartz氏は、Javaユーザーの増加は、Sunのビジネスの発展につながるという期待を抱いているという。「自社製品のオープンソース化は、収入の減少を意味するのではなく、収入を得るための障害がなくなることを意味する。ある製品に金を支払ってもよいと考えたユーザーは、その後も同じ考えを持ち続け、サポートやサービスの利用も望むようになる」(Schwartz氏)

 Schwartz氏によれば、Sunが「Solaris」をオープンソース化して以来、同オペレーティングシステムの関連事業は、同氏がSunでは経験したことがないほどのスピードで成長したという。「オープンソース化という方針を採用すれば、オープンソース製品以外は利用も導入もしないと決めているユーザーの関心を引くことが可能になる」(Schwartz氏)

 JavaOneに参加したユーザーらは、1件のオープンソースライセンスの下で、Javaのソースコードを自由にできるようになるわけではない。しかしSunは16日に、「Sun Java Studio Creator」や「Sun Java System Portal Server」、同社の「Java Message System」ベースのMessage Queueや「Web Services Interoperability Technology」などのソフトウェアを、オープンソース開発コミュニティに提供していくと述べている。

 さらにSunは、news.comが以前報じたオープンソースOSでの利用に適したJavaのライセンス体系についても発表した。このライセンスは、Linuxにデスクトップ向けの「Java Runtime Environment」を実装しやすくするためのものだ。これにより、「Ubuntu」「Gentoo」「Debian」といったLinuxパッケージの開発者は、みずからのオペレーティングシステムにJavaを組み込めるようになると、Sunは説明している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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