プロセッサを16基搭載した1台10万ドルのサーバを選ぶか。それとも3分の1の価格で、ネットワーク接続された8台のデュアルプロセッサシステムを導入するか。ある新興企業では、高価なシステムと同じ機能を安価なシステムに提供する技術を2005年にリリースする計画を進めている。
来年VirtuOS Computingという名称に変更予定のKatana Technologyの幹部らは、同社のソフトウェアを利用すれば、ローエンドのLinuxサーバを複数接続して、1台の強力なマシンに仕立て上げることが可能になると述べている。
小さなサーバを複数接続して、高性能コンピュータを作るアプローチはすでにいつくか存在している。だが、他の多くのアプローチとは異なり、VirtuOSではそのためにハイレベルのソフトウェアを変更する必要がないという。
しかしアナリストのなかには、同社の技術の成熟度に対して懐疑的な者もいる。「将来この方向へ技術が発展していくことは明らかだ。しかし、この技術が充分に成熟したものだとは思えない」とGartnerアナリストのJohn Enckは述べている。
VirtuOSのソフトウェアを使えば、最大128台のデュアルプロセッサシステムをグループ化し、その上で数多くのタスクを処理することが可能となる。また、作業量の変化に応じて個々のジョブにより多くのプロセッサを割り当てたり、また逆に減らしたりすることができると、同社共同創業者兼CTOのScott Davisは述べている。
「ごく普通のサーバ同士をつなぎ合わせて、仮想的なデータセンターを構築できる。そして、このデータセンターを複数のコンピュータでつくる仮想のシステムとして切り出すのだ」とDavisは説明する。同氏はこのアイデアを、ストレージ分野でのアプローチになぞらえている。ストレージシステムでは、プログラムが実際のディスクとではなく、抽象化されたストレージシステムとデータをやりとりするというやり方で、そのシステムの基底にあるコンポーネントを簡単に変更できるようにしている。
この種の柔軟性は、世界の大手コンピュータ企業各社が提唱する技術関連の大きな変化の一部となっている。IBM、Sun Microsystems、Hewlett-Packard(HP)、Microsoftなどでは、ユーザーに対してビジネス上の優先事項により良くマッチしたハードウェアを提供し、ほとんど利用されずに眠る機器をなくそうと考えている。
VirtuOSのソフトウェアは、Linuxが走るx86サーバ上で動作する。Davisによると、同社はいずれWindowsもサポートする予定だという。
VirtuOSのソフトウェアが宣伝文句の通りに機能した場合、これを搭載したシステムは大きな価格メリットをもたらす可能性がある。たとえば、Xeonプロセッサをデュアルで搭載した、ある程度強力なIBMのx336サーバ8台で構成するシステムの価格はおよそ約3万2000ドルであるのに対し、1台に多数のプロセッサを搭載するSMPサーバのx445(16プロセッサ搭載)の価格は約10万2000ドルもする。
VirtuOS(本社:マサチューセッツ州アクトン)では32人の従業員が働き、4件の特許を出願中である。同社は2003年3月の設立以来2度の資金調達を行い、Highland Capital、Matrix Partners、Goldman Sachsなどから計2000万ドルの資金を集めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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