半導体業界は整理統合が進み、今後数年間で既存チップベンダの40%近くが消滅するという予測を市場調査会社Gartnerが今週明らかにした。
チップ業界におけるベンダの数は、1980年代半ばには120社だったが、2003年には550社近くに達しており、着実に増え続けている。だがGartnerは、チップ製造に関わるコスト上昇と規模拡大により、今後は業界の整理統合が進むだろうと述べる。既存企業の大半は、次世代製造工場の設備投資を捻出できないだろうというのが同社の予測だ。
Gartnerの半導体研究チーフJim Tullyは声明の中で、「ベンダが生き残るためには最新設備を整えた大規模な工場をもつことにより、相当なスケールメリットを実現する必要がある。そして、チップをかなり大量に製造する必要がある。標準化された環境で一度に標準チップを大量生産できるのが理想だ。そして、これらの標準チップを特定のアプリケーション向けに製造後にカスタマイズする。こうすると、将来的にチップメーカーの数は減ってしまうが、チップが値上がりすることはない。この業界は大きな資本を必要とし、競争が激しいためだ」と述べた。
同市場調査会社は、設計が複雑になり、コストが上昇することのほかにも、システム容量の増加や柔軟性拡大といった要因がメーカーを倒産に追い込むだろうと語った。デバイス同士の統合がすすめば、チップメーカーは高速で機能が強化されたチップを開発するようになる一方で、チップの消費電力とシステムコストは低下していくだろう。これらの要因から最終的な製品は小型化に向かっていく。
Gartnerが予測するもう1つのトレンドは、同業界が現在のビジネス市場からコンシューマー市場へと重視する市場を変えていくだろうというものだ。2013年までには、チップの半数以上がコンシューマーをターゲットにしたデバイス市場向けに販売されるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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