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捕らえどころのない「ユーティリティーコンピューティング」

2003/11/21 12:27
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 ラスベガス発--ユーティリティーコンピューティングの定義は、川の流れのように流動的だ。

 開催中のComdexトレードショーで、ユーティリティコンピューティングをテーマにした パネルディスカッションが行われた。参加者たちは、その定義をめぐって持ち出された川の喩えと、「ユーティリティコンピューティングは本物で、しかも重要だ」という考えでは意見の一致を見たものの、エンタープライズコンピューティングの分野で、いま一番ホットだが、しかし捕らえどころのないこの話題をきちんと説明することは、結局殆どできずに終わった。

 これは、ユーティリティコンピューティングという言葉を使って示そうとする事柄が、人によってさまざまだからだ。それをITマネジメントのアプローチだという人もいれば、ビジネス戦略だ、あるいはハードウェア分野のブレイクスルーだという人もいる。つまり、話の相手が誰か、そして自分には何が必要なのかによって、ユーティリティコンピューティングの指すものが変わるということだ。

 「ユーティリティコンピューティングといっても、何か特定の大きな変化があるわけではない」というのは、米Hewlett-Packard(HP)のMark Linesch。同氏の肩書きは、アダプティブエンタープライズプログラム担当バイスプレジデントだが、「アダプティブエンタープライズ」というのは、ユーティリティの概念を指すHP流の言い回しである。「この言葉が、何か重要な新技術を指しているわけでもない・・・(それは)企業とそのITインフラとの間に、より緊密でよりダイナミックなつながりを確立することを言っているのだ」(Linesch)

 「アダプティブエンタープライズというのは、お金を出せば、すぐ手に入れられるといったものではない。・・・何年もかけて少しずつ作り上げるものだ。だから、大金を叩いて何かを導入し、それで一気に『さあ、今日から我々もアダプティブな(適応力のある)会社に変身だ』というわけにはいかない」(Linesch)

 もちろん、何かを購入したいという企業には、選択肢はいくらでもある。

 米IBMでオンデマンドのe-ビジネス戦略を担当するバイスプレジデントのJohn Callisは、変動の激しいアニメーション業界向けに、IBMが新たに導入したプログラムを紹介した。このプログラムは、顧客企業がハイエンドのアプリケーションやサーバの処理能力を必要なときだけ利用し、また使った分だけの料金を支払うというものだ。「顧客が『コレが必要だ』と言ったら、我々はその指定通りのものを提供する」(Callis)

 しかし、米Sun Microsystemsのソフトウェア担当CTO(最高技術責任者)John Fowlerは、どの相手にも同じ内容のサービスを提供すべきではないと警告している。「ITインフラの使い方に季節的な変動のない企業にとっては、ユーティリティコンピューティングのサービスの大部分は意味のないものだ。またアウトソーシングも同じで、有用か否かの判断がつかない代物だ」(Fowler)

 ZDNetのDan Farberが司会を務めたこのパネルディスカッションの参加者は、ユーティリティコンピューティングがあまりに人目に付き、また言葉の使い方もバラバラなために、あまりうまく浸透していないという点で、意見が一致した。さらに、ユーティリティコンピューティングというと、すぐに経費節減のためのものと勘違いしている顧客も居るが、こうした誤解も足を引っ張っているという。

 「コスト削減がすべてではない。ビジネスニーズに適した新しいサービスを素早く導入できるの、そのスピードがメリットなのだ」(SunのFowler)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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