Webサービスでさらなる協力を誓うマイクロソフトとIBM

 ニューヨーク発-- 米Microsoftと米IBMは、ふだんは激しく対立しているライバルだ。しかし両社は17日(米国時間)、Webサービスの利用によって両社の競合ソフトウェアパッケージが連動する様子をデモンストレーションし、さらなる標準制定のために両社が協力していくことを誓った。

 Microsoft会長Bill GatesとIBMのソフトウェア部門担当幹部Steve Millは、ニューヨークで開かれた記者会見で、ビジネスソフトウェアの連動のために両社が設計した、Gatesによれば「先進的な」Webサービスの機能を初めてデモンストレーションした。

 両社は、セキュリティやメッセージの信頼性、決済サポートを保証する新仕様を採用したWebサービスにより、自動車部品サプライヤー、メーカー、ディーラーの3者をリンクさせるアプリケーションをデモンストレーションした。このデモでは、Linuxが稼動するサーバーを含む、MicrosoftとIBM双方のソフトウェアが使用されており、両社は旧式の技術でこのデモを達成するのは困難だと述べている。

 Gatesは、XML(Extensible Markup Language)やSOAP(Simple Object Access Protocol)のような既存の標準に加えて、新たな仕様もいくつか必要だと語った。「このリッチな、新しいレイヤーによって、我々は次の段階へ進むことができる」(Gates)

 「これが動いているのを目にするのは、皆にとって初めてのことだ。この先の未来は、以前の仕様の時と同様に進んでいくと考えている。我々は(これらの仕様を)特許使用料のかからない標準として標準化団体に提出する」とGatesは述べた。

 同氏は、両社が仕様を提出する標準化団体の名は明かさなかったが、これまで多数のWebサービス標準を管理してきているWorld Wide Web Consortium(W3C)ではなく、Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)を提出先とする可能性を否定しなかった。

 IBMとMicrosoftは、多くの分野で競合関係にあるが、Webサービス市場ではほぼ最初から協力し合っている。両社は3年前、ソフトウェアの連動方法の標準化を目指し、Web Services Interoperability organization(WS-I)を共同で設立した。WS-Iは、Webサービス基盤標準化のための機関だが、設立以来競合企業から政治的策略だという非難を浴び続けている。

 Microsoftでは、同社の.Netアーキテクチャに基づくツールやソフトウェアを販売している。一方、IBMやその他Webサービスを提唱している米Sun Microsystemsや米Oracle、米BEA Systemsなどの企業は、Javaを支持している。

 Gatesは、「(新仕様の最終的な詳細を決定するためのワークショップが)数カ月後に開催される。これらの仕様は完成に程近い。我々はこの件を、非常に迅速に進められるはずだ」と述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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