米MS、Webサービス標準化でW3Cを脱退

 米Microsoftが、World Wide Web Consortium(W3C)のWebサービス標準化ワーキンググループ(WG)を脱退した。Webサービスのガイドラインで主導権を握れなかったことが原因のようだ。

 Microsoftが脱退を表明したのは、W3CのWS-Choreography Working Group。同グループでは、企業がWebサービスを利用してデータ送受信を行なうための共通ルールを検討している。

 MicrosoftのWebサービス・マーケティング・ディレクター、Steven VanRoekelは脱退の理由を次のように語る。「初回のミーティングで、同グループの作業範囲と、我々の研究内容との間で十分な整合性が取れていないことが明らかになったためだ」(同氏)

 同ワーキンググループの憲章では、Webサービスアプリケーションが外部ビジネスプロセスでどのように動作するかを記述したプログラミング言語の定義を目的としている。

 これに対しMicrosoftが行ってきた研究は、異なるソフトウェア間における通信方法を取り扱う「コントラクト言語」に関するものだった。「これはWebサービスによる自動業務プロセスの概念とは、ほんの一部しか関連性を持たない」とSteven VanRoekelは説明している。

 さらに同氏は、「一連の技術に対して、業界に影響を与え、評価する機関はW3Cだけではない」とも語っている。

 しかし、アナリストは「ソフトウェア業界は一丸となってWebサービスに取り組んでいる。つまり、W3Cなどの標準団体に参加することが重要になりつつある」と指摘する。さまざまな技術委員会に参加することで、企業は新標準の策定に関わることができ、製品開発でも優位に立てるという。

 その一方で、企業は業界団体で影響力を発揮しようと目論んでいる。その結果、内輪もめが生じてしまうというわけである。今回の脱退騒動は、「業界標準ガイドラインを巡って、企業と標準団体の間で不協和音が生じている」という現状が顕著に表れたものと考えられる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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