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黒川社長、富士通の体力回復をアピール

2003/07/16 16:24
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 6月24日に新社長が就任した富士通。過去に大規模なリストラを行うなど、同社の行方には注目が集まっていた。16日より3日間の日程で開催されている同社のイベント、「富士通ソリューションフォーラム2003」にて、同社の新代表取締役社長、黒川博昭氏がキーノートスピーチを行い、富士通の事業方向性について語った。

 黒川氏は、ITが経営スピード向上のための基盤であり、ITの進化と構築スピードが経営スピードを決めると指摘。だが同時にIT基盤は多用化し、複雑化する傾向にあり、それにつれて企業のIT担当者の負担が増大することは目に見えていると語った。そこで富士通がすべきことは、「顧客を見据えた提案をし、顧客の業務開発スピードを向上させる。また、ITを意識しないIT利用を実現し、堅牢で安全なITインフラを提供すること」だという。

 このような課題を実現するため、黒川氏は富士通の事業領域を3つのセグメントにわけて語った。それは顧客の経営革新や経営改革を目指すビジネス層、経営におけるビジネスプロセスの効率化を目指すアプリケーション層、そしてサーバやストレージ、ネットワークなどの安定稼動と効率的運用を目指すIT基盤層だ。

富士通 代表取締役社長
黒川博昭氏

 ビジネス層については、黒川氏は正直に「富士通がこれまであまり経験のない分野」だとしつつも、サービス提供の実現に向けて「コンサルティング事業を強化した」という。富士通総合研究所の設立や、社内におけるコンサルティング事業部の発足に加え、アクセンチュアとの連携で顧客にソリューションを提案していくのだという。「これまでは、企画や設計開発、調達、生産といったプロセスにおいて、個々のプロセスの最適化を重視してきたが、これからはトータルな最適化が重要となる」(黒川氏)

 アプリケーション層への取り組みは、APM(アプリケーション・ポートフォリオ・マネジメント)を中心にアプリケーションアウトソーシングを進めていくという。同社ではAPMセンターおよびAPMコンピテンシーセンターを設立し、そこでアプリケーション資産の診断、評価、改良、再生、保守までを行う。同時に黒川氏は、パッケージの活用も重要だという。富士通は国内でSAPに次ぐシェアを誇る「GLOVIA」というERPパッケージを抱えており、ビジネスプロセスの改善には最適な製品だとアピールする。

 また、新規開発スピードの向上のため、アプリケーション開発フレームワークであるB2.Sframeworkの提供や、XML技術の活用で、データベースの連携を実現させると黒川氏。同社では、高速なデータベース横断検索実現のため、「瞬索」という製品も提供している。

 IT基盤層への取り組みは、「富士通の強さが生かせる部分だ」と黒川氏。現在ITインフラはメインフレームが中心であったレガシーモデルから、選択の自由が大きいオープンモデルに移行しているが、「基盤の複雑化とアプリケーション開発の負荷増大は避けられない」という。そこで富士通では「TRIOLE」というソリューションを提供している。TRIOLEのコンセプトは、PCのBTO(Built To Order)モデルのように、ITシステムもサーバ、ストレージからOSやミドルウェア、ネットワークまでをBTOで構築しようというものだ。「製品の連携をはかり、レガシーモデルの整合性とオープンモデルの選択の自由を両立することができる」と黒川氏はいう。

 講演の最後で黒川氏は、同社が過去2年で大規模なリストラなどを行ったことで顧客にも心配をかけたが、「やっと富士通らしいサービスが提供できる体力が回復した」といい、富士通として、そして黒川氏個人として、「総合力を最大限に生かして顧客のIT活用を支え、経営基盤を支えていきたい」と語った。

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