Appleによる秋の「iPod」ラインアップ発表への全体的な反応は、前年と同様、基本的に「meh」だった。
この表現を知らない人のために説明しておくと、mehというのは「別にどうでもいい」という意味を表すインターネット世界の略記である。2009年にはカメラを搭載した「iPod nano」が発表されたが、すぐに大きな話題を呼ぶことはなかった。2010年の新製品群についても、状況はそれほど改善しなかったようだ。これは新しいiPodシリーズに魅力がないということではなく、単に今回の発表が、最近の「iPhone」や「iPad」のローンチほど大きな話題になったり、注目を集めたりしていないということだ。
問題の1つは、Appleがこの種の特別イベントに関して、ハードルを非常に高く設定していることだ。2009年は特にその傾向が強かった。しかしもっと大きな問題は、AppleがiPodを作ってきた10年間が終わりに近づくにつれて、この分野が同社にとってかなり退屈なものになってしまったことだ。
iPodの影響力を軽視するつもりはない。Appleが2001年に発売した最初のiPodは、同社をコンピュータ企業から消費者向けデバイスとデジタルコンテンツを扱う企業へと転身させ、既存のスマートフォンやタブレットの分野で革命を起こすための下地を作った。しかし、iPodがAppleに及ぼす影響力はしばらく前から低下している。そのことは米国時間9月1日のイベントでも示されていた。
Appleの秋のイベントは2005年から毎年開催されており、主にホリデーシーズン向けの最新iPodと、「iTunes」ソフトウェアのアップデートを発表する場となっている。だが、2010年のイベントでは、iTunesの新しいソーシャルネットワーキング機能や、「iOS」のiPadとiPhone向けの新機能、「Apple TV」によるメディア共有とストリーミングなど、メディア分野全体への取り組みに重きが置かれた。
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