Appleは、クラウドコンピューティングを音楽以外にも拡大しようとしているようだ。
先ごろAppleの関係者が大手映画スタジオ数社と話し、「iTunes」ユーザーがスタジオ各社のコンテンツをAppleのサーバ上に保管できるようにすることについて討議したという。この討議に詳しい消息筋2人が米CNETに語った。テレビ番組と音楽のストリーム配信についての報道があるが、これに加えて映画コンテンツも配信されることになるかもしれない。
Appleは映画スタジオに対し、この計画では、iTunesユーザーはインターネットに接続されたさまざまなデバイスからビデオにアクセスするようになる、と伝えたというが、この消息筋は、Appleはもちろん、間もなく発売の同社のタブレットコンピュータ「iPad」からビデオにアクセスしてもらいたいのだろうと話す。Appleの広報担当者Tom Neumayr氏は、Appleはうわさや憶測に対してはコメントしないと述べた。
このニュースは、Appleが大手レコード会社に、音楽に関する同様の計画を話したとされる1カ月後に届いた。消息筋の1人は、Appleの構想は、iTunesユーザーがメディアを保管できる、いわゆる「デジタル棚」を構築することだと語る。その消息筋は、「Appleは基本的に、ハードドライブをなくしたいと考えている」と言う。
消費者は、コンピュータやハンドヘルドデバイスに、デジタルの楽曲やビデオ、あらゆる種類のソフトウェアアプリケーションを詰め込んでおり、特に小型のモバイルデバイスで、ハードドライブを容量の限界まで使い切るようになっていることが一部で示されている。これが、Appleウォッチャーの間に、新しいコンテンツを簡単に置ける場所がなければ、その購入を遅らせる消費者がいるかもしれない、という憶測を生んでいる。
経済の停滞が売り上げを鈍化させていることもあるときに、こうした結論に達するのは明らかに少し飛躍しているが、気になる兆候もある。NPD Groupは先週、合法的に楽曲をダウンロードした人の数が、2008年の3520万人から2009年は3460万人と、100万人近く減少したと発表した。エンターテインメント業界に特化した調査会社Screen Digestは米国時間3月1日、映画のダウンロードは、2年間にわたって急激に増加した後、2009年には成長が著しく減速した、と述べた。Screen Digestは、米国における2009年のオンライン映画の売り上げは総計で約3億6000万ドルに達すると推定していたが、実際の総計は2億9100万ドルにとどまったと言う。
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