iTunesユーザーがAppleのクラウドに自分の映画やテレビ番組を保管できるようになるには、その前に、Appleが映画スタジオ各社と契約を結ばなければならない。これは簡単にはいかないかもしれない。スタジオ各社は、Appleの計画がApple以外のデバイスやサービスともうまくやってゆけることを確かめたいと考えている。
Forrester ResearchのメディアアナリストJames McQuivey氏は、ハリウッドは壁に囲まれた庭にはまったく興味がないと語る。
「スタジオ各社は、誰かが専有しているプラットフォームに縛り付けられることを、非常に懸念している。各社が望むのは、消費者が、デバイスやサービスとではなく、コンテンツと関係を持つ世界だ。各社は、iTunes(経由)で購入されたコンテンツがNokiaの携帯電話でも再生できることを、Appleに認めさせ保証させる立場にある。それはまったくApple的でない」(McQuivey氏)
McQuivey氏は続けて次のように述べた。「Appleはそうすることを好まないだろう。だが、Appleには、かつてのような影響力はない。Appleが条件を指示したり、自身をデジタルの救世主として位置付けたりすることはできない」
Appleが映画やテレビ業界に対して、音楽業界で振るってきたのと同様の影響力を振るわない理由は、より多くの企業が、スタジオ各社が望むものをすすんで与えようとしているからだ。
Digital Entertainment Content Ecosystem(DECE)は、ファイルフォーマット、デジタル著作権管理、認証テクノロジの標準規格の策定に向けて、そうそうたるメディア関係者が名を連ねるコンソーシアムだ。これには、Adobe Systems、Best Buy、Cisco Systems、Comcast、Intel、Hewlett-Packard(HP)、Lions Gate Entertainment、Twentieth Century Fox Film、Microsoft、Netflix、パナソニック、4大レコード会社(Universal Music Group、Sony BMG Music Entertainment、EMI Group、Warner Music Group)、サムスン、ソニー、Warner Bros. Entertainmentなどが参加している。
DECEの目標は、Comcastのビデオサービスから購入された映画やテレビ番組が、サムスンのデバイスやNetflixのサービスでも確実に再生できるようにすることだ。
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