サンフランシスコ発--光ファイバについては、膨大な量のデータを大陸間で伝送するのに使われる先端技術というものとして、何年も前から耳にしていると思う。しかし、そう遠くない将来、この非常に細いガラス線を自分の手でコンピュータに直接差し込むようになるかもしれない。
Intelの思惑通りに事が進めば、そうなるだろう。Intelは先週開催のIntel Developer Forum(IDF)で、光ファイバケーブルで多くの機器とPCとを接続する、「Light Peak」と呼ばれる光ファイバ技術を披露した。IntelはソニーからLight Peakに対する重要な支持を取り付け、これを業界標準にするべく始動している。
しかし、光技術を普及させるには、Intelの最高技術責任者(CTO)であるJustin Rattner氏がステージに上がって、プロトタイプPCの背面にLight Peakの白く細いケーブルを接続するだけでは不十分だ。事情に詳しい情報筋によると、Light Peakが研究開発室から出てノートPCの端にたどり着くための最も有望なメカニズムは、伝統を誇るUSBであり、Intelはその実現に向けて歩み始めたという。
Rattner氏は、「今やすべての要素がそろっている。必要なことは、エコシステム全体がLight Peakに興味を持つよう、規格を確立することだ」と述べている。
たとえハイテク恐怖症の人であっても、USBのことは知っている。このプラグアンドプレイ技術はPCで始まり、携帯電話機、家庭用電子機器、デジタルカメラなどに広まった。USBは、その標準を定めている団体USB Implementers Forum(USB-IF)が新たに開発している、さらに高速で電力効率に優れたバージョンや、コンピュータやコンセントに差し込んだ機器をよりうまく充電する技術によって、採用範囲がさらに拡大されるかもしれない。
新しい「SuperSpeed」USB 3.0は、データ転送速度が5Gbpsと、現在普及しているUSB 2.0の10倍以上で、先週、最初のUSB 3.0デバイスが認証された。USBのもう1つの新しい機能では、USB機器が使用できる電力量が0.5Aから0.9Aに増加し、バッテリ充電専用であればさらに1.5Aが追加されるため、USBをデータ転送以外の処理にも使用できるようになる。
5Gbpsという速度は大幅な向上だ。NECは認証されたばかりのUSB 3.0コントローラのデモで、USB 2.0では39秒かかる500Mバイトのデータ転送をUSB 3.0では4.4秒でできることを示した。しかし、USBが本当の意味で急展開して、例えば大型3Dテレビ画面に必要なデータ転送に対応したり、テラバイトの容量を持つ「iPod」が登場したときにそれと瞬時に同期したりするようになるには、まだなすべきことがある。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス