「Windows 8」の発売を間近に控えた今、最もよく耳にするキーワードが「タッチ」だ。それは、タッチスクリーンタブレットとスレート、従来型のクラムシェルノートPCに付いているタッチパネル、そしてタッチに対応したオールインワンのデスクトップを意味する。また、Microsoftが新たにタッチパッド向けのタッチジェスチャーを重視するようになったこと、そしてSynapticsのようなコンポーネント企業が持っている、Windows 8のタッチ入力に関する野心的な計画にもつながる。
このようにタッチはさまざまな話題を振りまいているが、その裏では、別のトレンドが勢いを増している。かつてはほとんど注目されないコンピュータアクセサリだったスタンドアロンのタッチパッド(Appleの「Magic Trackpad」でさえも、提供開始時に大きな注目を集めることはできなかった)が、メインストリームになるチャンスを得ようとしている。少なくとも昨今、スタンドアロンのタッチパッドを含むシステムが増えていることから判断すると、そう言える。
その一例が、発表されたばかりのHewlett-Packard(HP)の「Spectre One」オールインワンだ。23インチの1080pディスプレイを搭載するこの1299ドルのデスクトップは、タッチスクリーンを備えてはいないが、スタンドアロンのタッチパッドが付属している。そのタッチパッドは、同じく付属しているワイヤレスキーボードと組み合わせて使うことができる。両者を並べると、今筆者のデスクに置かれているAppleのワイヤレスキーボードとトラックパッドの組み合わせに非常によく似ている。
Vizioは先般、複数の新しいノートPCとオールインワンデスクトップを発表して、PC市場に参入した。オールインワンモデルは、従来のようにマウスを同梱することを止めて、トラックパッドを採用している。プロプライエタリなワイヤレス接続を採用していることとWindows 8最適化が行われていないことから、このタッチパッド体験を気に入ることはできそうにないが、PCメーカーがためらいつつもマウスから離れようとしていることを示すもう1つの例ではある。
MicrosoftはWindows 8において、タッチスクリーンおよびタッチパッド上で同一のジェスチャー操作をサポートしている。つまり、ノートPCに組み込まれたタッチパッドと、ノートPCとデスクトップの両方で使用できるスタンドアロンのタッチパッドという成長を続けるカテゴリとの両方でのサポートだ。
われわれは、まだ発表されていないスタンドアロンタッチパッドの例もいくつか確認しており、その中には特定のシステムにバンドルされているものも、スタンドアロンのアクセサリとして提供されるものもある。したがって、このトレンドは今後も続くだろう。
しかし、必然的な次の段階に進む可能性、つまり昔からあるコンピュータマウスが、ことによると数年以内にタッチパッドに置き換えられてしまう可能性は、どれくらいあるのだろうか。
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