Facebookは死に向かいつつあるソーシャルネットワークなのだろうか。
今では誰もが、Facebookの新規株式公開(IPO)後の株価下落という悲しい話、そしてFacebookの株価評価をつり上げて、実際の取引が始まった途端にさっと消えたことの責任を負うべきなのは誰なのかという、まだ答えの出ていない疑問について知っている。
この取引でもてあそばれたのは誰かという問題はともかく(それはいつも通り小口投資家だ)、株式市場はFacebookの現況を的確に反映している。Facebookは非常に多くのトラフィックと注目を集めていて、ウェブのあり方そのものの根底をなすプラットフォームであり、非常に多くの人々の生活にとって不可欠なものだが、だからといって安泰なわけではない。確かにFacebookはウェブを支配しているが、われわれが知っているウェブは死につつあるメディアなのかもしれない。Facebookを死に至らせるものはウェブサイトなどではなく、初めからモバイル向けにつくられた製品ではないか。その製品を使う人々も、生まれながらのモバイルユーザー世代である。
IPOに向かうFacebookの準備段階を注意深く観察してきた人々は、筆者や米CNETの同僚記者も含めて、Facebookがモバイルの問題を抱えていることを早くから指摘していた。Facebookはモバイルのトラフィックを収益化しておらず、モバイルの成長について最初から懸念を表明していた。さらにFacebookは数カ月前、モバイル利用が劇的に増加し、かなり深刻な売り上げの減少が生じていると(少なくとも大口投資家には)警告していたようだ。
どれも驚くべきことではない。モバイルの問題を抱えているサイトはFacebookだけではない。ウェブ上のどのサイトもモバイルの問題に直面している。
モバイルデバイスからのトラフィックは驚異的なペースで増加している。ある試算によれば、モバイルデバイスからの訪問数は現在、ウェブトラフィックの20%に達しているという。モバイルからのトラフィック増加についてのデータはどれも、飛躍的と言える数値を示している。Ciscoの予測によれば、世界のモバイルデータトラフィックは2011年から2016年の間に18倍になり、同じ期間にモバイルデータ消費量は17倍になるという。また、2016年までにモバイル動画はモバイルトラフィックの70%を占めるようになり、2011年の25倍になると予測している。2011年には、世界のモバイルデータトラフィックは4年連続で2倍以上の増加を示した。
こうした増加と比べると、モバイル広告への支出は少ないままだ。Strategy Analyticsによれば、モバイル広告への支出は2012年には2倍以上の116億ドルになると予測されるものの、広告主がオンライン広告に支出する額は4倍近くになるという。
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