「World of Warcraft」のような仮想世界のオンラインゲームに「Coca-Cola」や「PEPSI COLA」の広告が載ることは考えにくいが、スポーツ系ゲームなどは理想的な媒体になるだろう。
「例えば、印刷物やテレビで既に使ったNikeの広告を、当社が扱うスポーツ系ゲームにそのまま実装してしまうこともできる」と、ゲーム内広告企業IGA Worldwideの最高経営責任者(CEO)、Justin Townsend氏は語る。同氏の説明によれば、この広告はインターネット配信され、広告掲載権を購入した広告主ごとに内容を変更できるという。また、地域ごとに内容を変えて配信できるそうだ。例えばドイツのゲームプレーヤーには、ドイツバージョンの広告が配信される。
Cai氏は、Googleの場合は、ウェブで提供されるカジュアルゲームに表示される広告を扱う方が適しているのかもしれない、と語っている。同社が、ディスプレイ広告ではなくコンテキスト広告で大成功を収めているためだ。
「ただ、Googleがゲームという新しいメディアでの事業に興味を抱いているだけなのか、検索広告にとどまらず、新しい広告ビジネス、つまりディスプレイ広告にも参入したいと考えているのか、どちらなのかが分からない。Googleは、検索連動型広告ではトップだが、ブランド広告ではまだまだだ」(Cai氏)
ところで、ゲーム業界に、Googleのような自動型広告を受け入れる準備は整っているのだろうか。
「難しい問題だ」と語るのは、Double FusionのCEO、Jonathan Epstein氏だ。同社は、これまでに登場したAdscape Media、IGA Worldwide、Massiveの競合企業。「受け入れられないという意味ではない。ただ、市場が大きく進化するときは常に、その市場に精通し、改革をけん引するスペシャリストの存在が必要だということは言えるだろう」(同氏)
Adscape Mediaのマーケティング担当バイスプレジデントEva Woo氏によると、同社には、ゲームを遮らずに広告の内容を顧客に伝達できるテクノロジがあるという。同社の「Real World/Virtual World Gateway(RVG)」というテクノロジで、登録したプレーヤーに、ショートメッセージサービス(SMS)や電子メールで広告主のメッセージを届けられるそうだ。
例えば、プレーヤーが特定のレベルに到達したことや、ゲームに行き詰まっていることが検知されると、広告主は報酬やクーポン、ヒントなどを提供できる。Woo氏によると、この広告用テクノロジの開発には5年間を費やし、このテクノロジ関連で取得済みの特許は1件、出願中のものは15件あるという。Googleはこのテクノロジが欲しかったのかもしれない。
Googleにとってのリスクはもちろん、MicrosoftのXboxが生み出した市場、その市場の成長に参加させてもらえなくなる可能性があるということだ。そして、広告主がゲームの世界に入ることを許可するパブリッシャーに対して、現実のプレーヤーが拒否反応を示すことも考えられる。
「ハードコアゲームをプレーする男性ゲーマーであれは、プレーの邪魔にならず、ゲームの世界をこれまで以上にリアルに見せるものであれば、広告が入っても気にしないのだが」(Cai氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する