幸いにも、DMCAは海外には適用されない。私は、フランスにあるサーバから入手可能なMacintosh OS X用の「HandBrake」というソフトウェアを見つけた(Windowsユーザー向けには「DVDx」や「DVDDecrypter」などがある)
HandBrakeは、EyeTV 2と同じくらい使いやすいソフトウェアだった。DVDのスキャンが終わると、どのタイトルを保存するかを選べるようになる(映画には長いタイトルが1つ入っていることが多いのに対し、テレビ番組のDVDには複数のタイトルに分かれる場合が多い)。このソフトウェアを試してみたところ、1.67GHzのPower PC G4プロセッサと1Gバイトのメモリを搭載したPowerBookでは、48分のテレビ番組をリッピングするのに約2時間かかった。
だが、待っただけの甲斐はあった。320 x 240ピクセルに変換したDVDは、iPodの画面上におどろくほどきれいに表示された。そして48分のテレビ番組が300Mバイトに収まった--つまり、60GバイトのiPodに約200本の番組を詰め込める計算になるが、これほどたくさんの「Sex and the City」を観たいと思う人間はおそらくいないだろう。
Usenetという選択肢
テレビ番組やDVDをビデオiPod用に変換する場合、処理速度の遅さが問題となる。最も協力で高価なマシン以外でビデオファイルを変換していると、1980年代にBBS経由で800Kバイトのファイルを何時間もかけてダウンロードしていた頃のことを思い出す。
こうした問題を解消する1つの方法は、iPod向けの低解像度のフォーマットにあらかじめ変換されているファイルをダウンロードすることだ。そのために、ファイル交換ネットワークを使う手もあるが、訴訟で被告になることが心配な人々には「Guba」をお奨めする。
GubaはウェブベースのUsenet用フロントエンドで、1ヶ月15ドルでテレビ番組を無制限にダウンロードできるようになっている。同社は、指定したキーワードにマッチする新着ビデオを顧客にアラートで知らせるRSSフィードをMacworldで発表していた(Gubaによると、著作権上の理由で「長篇映画やMP3はインデックス化していない」という)。
ただし、ビデオの品質が最初に番組をアップロードした人によって決まってしまう点には注意が必要だ。試しに「Alias」のエピソードを適当に選んでみたところ、解像度が384 x 208ピクセルで77Mバイトのものが見つかった。このビデオはすぐにダウンロードできたが、品質は自分でDVDから変換した300Mバイトの番組と比べて可もなく不可もなしといったところだった。
また、全エピソードがそろっていない番組も多い。「Buffy the Vampire Slayer」は14話分のエピソードしかなく、重複したものもあれば、タイトルが違うものも4つあった。一方、「Star Trek」のニュースグループには103本のビデオがある。予想通り、Usenetではアダルトコンテンツも異様に目立つ。
Gubaが提供するようになった便利なオプションの1つが「iPodダウンロード」機能だ。これを「Buffy」の「Wrecked」というエピソードで試してみたところ、大容量AVIファイルを容量106Mバイト、サイズ320 x 178ピクセルのMPEG 4ムービーに問題なく変換することができた。なお、このビデオはCMが入っていないことから、おそらくDVDから変換されたものだと思われる。
このように、ビデオiPodでテレビ番組やDVDを観るための方法はいくつかあるが、どれも不必要に複雑で面倒だ。ではなぜ、iTunesは数千種類の番組を1ドル99セントで配信しないのだろうか。
大半の映画や多くのテレビ番組はすでにDVD化されているため、面倒なディジタル化の作業は既に終わっている。あとは、協力して売上高を増やすことが自分たちの利益になることにハリウッドが気付くだけでいい。それまでは、たぶんGubaが大活躍することになると思う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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