iPod用アクセサリを発売する企業のなかで、最も有名なのは、スピーカーメーカーのBose、JBL、そしてステレオ用ケーブルで有名なMonster Cableなどだ。アクセサリ市場には、ほかにも多数の企業がひしめき合っており、ほぼすべてが未公開会社で、大半はGriffin TechnologiesやXtremeMacなど、かなり規模の小さい会社だ。たとえば、XtremeMacの場合、14人の正社員とアルバイトが十数人しかいない。
これだけ製品がそろうのはすごいことだが、その分購入判断も難しくなる。判断を助けるため、Appleではアクセサリメーカーに「Made for iPod(iPod認定済)」ロゴを取得させる新しいプログラムを立ち上げた。
もちろん、Appleが絶対に認定しないような周辺機器のなかにも、認定製品と同じくらい興味深いものはある。9V角電池を使ってiPod Shuffleを充電するUSB充電器の開発プロジェクトも進行中だが、Appleはこのような製品は絶対認定しないだろう。
iPod Hacksというサイトは、認められていないiPodのカスタマイズ方法を専門に取りあげている。最近では、iPodが起動時やコンピュータとシンクロするときに表示するグラフィックスの変更方法を簡単に説明した書き込みが人気を集めた。
一般に、AppleではiPod上で動作するソフトウェアの開発を推奨していない。同社はiPodのファイルシステムを公開しておらず、開発者がiPod上で動作するプログラムを書くためのプラットフォームも提供していない。しかし企業各社は、同製品が発売された頃から迂回方法を見つけ出してきた。そうした製品のなかには、音楽優先で作られたiPodのインタフェースを利用する電子聖書や外国語翻訳機などがある。
iPodのアクセサリ市場は歴史的に、大半が充電器、ケース、スピーカー、そしてiPodをカーステレオで聴けるようにするFMトランスミッタなどの製品に集中していた。
「iPodの所有者がまだ少なかった頃は、全員にとって魅力的なアクセサリでなければ意味がなかった」(Van Harlingen)
それと同時に、初期の頃は競争も今ほど激しくなかった。メーカーは、とりあえず製品さえ発売すれば、顧客がこぞってそれを買い求めるという状態だった。XtremeMacがそれに気づいたのは、2002年のMacworld ExpoでiPodケースを発売した時のことだった。同社のブースには人だかりができ、Expo開催前に注文してあった1000個のケースはすぐに完売した。
「あの時の売れ行きは異常だった。常に30〜40人の列ができていて、4日間行列が途絶えなかった」(Bart)
だが、もはやそのような状況ではない。ますます多くの企業がベーシックな製品を出していることから、すでに陳腐化しているものもある。
「そうした製品に対するニーズはあるだろうが、革新的なものを出せる可能性は多くない」とDigital Lifestyle Outfitters(DLO)というアクセサリメーカーでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるAndrew Greenは言う。このため、昔からのベンダーの多くは、新しい場所にiPodを持ち出すことに重点を置き始めている。DLOで人気の高い新製品の1つは149ドルのiBoomだが、これはiPodをラジカセに変身させ、大半のiPod用スピーカーよりはるかに持ち運びやすくするものだ。
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