11月27日、携帯電話向けコンテンツや技術の最新動向について業界のキーマンが講演を行なうイベント「mobidec2007」が開催された。特別講演「Yahoo!ケータイの一年と今後の方向性」では、ソフトバンクモバイル 技術統括プロダクト・サービス開発本部 モバイル・メディア・コンテンツ統括部長の松本真尚氏が壇上に立ち、Yahoo!ケータイのポータルとしての方向性とケータイコンテンツへの取り組みについて紹介した。
ポータルの方向性としては、1)ヤフー全社の取り組みとして、ユーザーに各種サービスをいつでもどこでも気軽に利用できるよう“Everywhere化の推進”、2)日本最大のユーザー数を誇るYahoo! JapanのPCユーザーをモバイルへ誘導する集客施策、3)ソフトバンクのグループシナジーにより“OnlyOneの創造”を進めることを行うことで、キャリアポータルでNO.1を目指すという。
Yahoo!ケータイをさらに使いやすくするための第一弾施策として、Yahoo!検索第2世代となる新検索サービス「OneSearch」を開始。検索結果を単に羅列するのでなく、ユーザーが本当に欲しい情報を上位に表示するタイプに変更した。
たとえば、“上戸彩”で検索すると、トップに画像を表示。“しし座”と検索するとトップに占いが出てくる。OneSerchを筆頭に、Yahoo!ケータイはユーザー本位のサービスを推進していくことになる。
コンテンツでは、課金単価が上昇している3Gコンテンツに注力。特にYahoo!ケータイの中で、最近1年で3%以上上昇している電子コミック、着ビデオ、アレンジメール(ドコモでいうデコメール)を成長が期待できる分野と位置づけている。
電子コミックは提供作品数が3万2000タイトルを超え、情報料も作品数と比例して増加している。キラータイトルだけで利用を押し上げるのでなく、作品数を増やすことも重要となってきた。さらに、3月末には第1話を無料配信する「タダコミ」を開始して利用促進を図り、Yahoo!検索窓から電子書籍全体の検索が簡単に行えるようにする。
ゲームについても電子コミックと同様の施策を推進する。無料でゲームの内容が分かるコンテンツ“タダゲーム”を配信しているが、加えて12月からTCP/IPを利用したリアルタイム性の高い高速オンラインゲームの提供も開始する。
競合他社から遅れていた音楽コンテンツ、電子マネーも強化する方針だ。出遅れた分野であるために、他社のサービスより使いやすくすることが必須となる。このため、ジャケット写真や歌詞に対応し、情報量無料の音楽情報番組“タダ歌ばん”、WMA対応サービス“S!ミュージックコネクト”を提供するなど、新しいサービスを確立してきた。ただし、それぞれのサービスが独立したイメージとなっているため、今後サービスを取りまとめていく計画だ。
ただし、このような最新サービスや機能をすべて取り入れていくと、ケータイ自体は使いにくくなる可能性が高い。そこで、従来のように機能を重視して端末を作るのではなく、ユーザー視点に立って本当に必要な機能を必要なユーザーに提供していく形にシフトしていきたいとした。
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