NTTは9月29日、1本の光ファイバで毎秒14テラビット(Tbps)の超大容量データを、160km伝送することに成功したと発表した。今回の成果は、9月24日からフランス・カンヌで開催されたヨーロッパ光通信国際会議のポストデッドラインペーパとして報告されている。
現在、基幹光ネットワークでは、約4テラヘルツ(THz)の光増幅中継帯域を用い、1波長あたり10Gbps容量の光信号を多チャンネル波長多重することにより、約1Tbps容量の基幹光トランスポートネットワークが実用化されている。実験レベルでは、1本の光ファイバで10Tbps容量の伝送が達成されており、14Tbpsはそれを上回る成果となる。
伝送容量の更なる拡大をするうえでポイントとなっていたのは、高密度多重伝送技術と増幅帯域の拡大技術。従来、光増幅帯域は実用的に4THz程度で、2バンド、3バンドと複数の波長帯に分け、それぞれ光増幅し、バンドごとの光増幅信号を多重してから中継する必要があった。
今回の実験では、増幅帯域を7THzに拡大し、1つのバンドとして利用。1本の光ファイバで111Gbps信号を140チャネル多重伝送し伝送容量を合計14Tbpsとしている。これらを一括光増幅中継することにより、160kmの距離を伝送することに成功した。
NTTでは、将来の経済的かつ高品質な10Tbps級の大容量基幹光ネットワークの実現を目標とし、100Gbps級の高速チャネルの長距離トランスポート技術の実用化を目指すとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」