航空会社Ryanairは、すべての航空機において、乗客が携帯電話での通話およびテキスト送受信をできるようにするサービスを計画している。同社は、このサービスを2007年半ばに導入する計画である。
欧州の格安航空会社であるRyanairは現地時間8月30日、AirbusとSitaが共同で設立した機内コミュニケーションのベンチャー企業であるOnAirと提携し、「Mobile OnAir」と呼ばれるテクノロジを同社のすべての機体に導入する予定であると発表した。当初は2007年半ばまでに50機にこのテクノロジを導入し、その後対象を広げていくという。
Ryanairの最高経営責任者(CEO)Michael O'Leary氏は、ロンドンでの記者会見において、「試験的な要素はあるものの、乗客が利用しないのではという心配はしていない」と述べ、「成功しなかった場合には、機体からそれを取り外すことになる」と付け加えた。
乗客は、衛星ブロードバンド接続による音声通話とSMSメッセージの送受信に対して課金され、また、BlackBerryのようなハンドヘルド機器に利用されるプッシュ型の電子メールサービスの利用に対しても課金されることになる。飛行機と地上との間の接続は衛星通信事業者のInmarsatによって行われる。
このサービスの値段に関して質問されたRyanairは、国内便においても、国際ローミング料金と「まったく同じ」になると答えた。こういったローミング料金体系は、プロバイダと国によって大きく異なる。同社は通信手数料をプロバイダに請求する。
O'Leary氏はZDNet UKに対して、「われわれは、プロバイダから手数料を受け取るが、その率は比較的低いものとなる」と述べた。
また、Ryanairはこのサービスを開始するにあたって、規制当局の認可を取得する必要がある。
O'Leary氏は、「規制当局がどう出るかがスケジュールに影響を及ぼす可能性もあるが、認可が下りるか否かについては心配していない。問題は、認可がいつ下りるかだ」と述べるとともに、「誰も機内で携帯電話を使用することができないというということは大きな障壁だ。認可さえ得られれば、今後はインターネットアクセスができるようにしたい」と述べた。
航空機には、GSM標準に準拠したアンテナのピコセルが装備される。このアンテナを航空機の天井に取り付けることにより、電話機を衛星回線に接続できるようになる。OnAirの最高経営責任者(CEO)George Cooper氏によれば、アンテナと携帯電話機の距離が短いため、接続に要する電力は小さいという。
同氏は、「出力は大変小さいため、航空機器と干渉することはない」と述べている。
地上のネットワークは、OnAirと提携するMonaco Telecomによって提供されることになる。乗客が携帯電話を使用できるのは、高度が1万フィート(約3000m)以上に達した後のみとなる。
OnAirの衛星ベースのテクノロジを最初に試験運用するのはAir Franceであり、その時期は2007年初頭となる予定である。その後、英国のBMIとポルトガルのTAPが同テクノロジの利用を開始する予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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