イー・アクセスの子会社で携帯電話事業を2007年より展開するイー・モバイルは3月13日、携帯電話ネットワークの機器ベンダーとして、スウェーデンに本社を置くEricssonを選定したと発表した。
具体的には、全国をカバーするコアネットワークと、関東、中部、関西地域の無線ネットワークについて、エリクソンが機器やサポート、保守を提供する。現在NTTドコモやボーダフォンが提供しているW-CDMAのほか、下り最大14.4MbpsのHSDPAのネットワークを構築する。
Ericssonを選んだ理由について、イー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖夫氏は3つの理由を挙げる。まず、EricssonのHSDPA機器の納入実績が豊富なことだ。米国Cingularやイタリアの3、オーストリアのMobilcomといった、すでにHSDPAの商用サービスを始めた通信事業者に対して機器を納入している。2つめは、日本で通信事業者に機器を納入した実績があり、国内のサポート体制ができていること。3つめは、さまざまな無線規格の標準化活動において、Ericssonが主要な役割を果たしていることだ。
すでに両社は東京都内で無線基地局の設置を進めており、早急にテストサービスを開始する計画だという。2007年3月にデータ通信サービスを、2008年2月に音声サービスをそれぞれ提供開始する予定だ。
なお、端末については「現在、複数の国内外ベンダーと話をしている」(千本氏)として、具体的に決まったものはないとした。ただし、「ネットワーク機器との親和性を考えると、ソニー・エリクソン(・モバイルコミュニケーションズ)が有力な候補の1つであることは間違いない」と含みをもたせた。
ソフトバンクは「成金」
携帯電話業界では、ソフトバンクがボーダフォンを買収する計画であることが明らかになっており、大きな話題となっている。この点について千本氏は、「これだけ大きなリスクを取れるのは孫さんのガッツがあるから」と話し、大型買収に乗り出す経営者としての判断を評価した。一方で、新規参入事業者向けに割り当てられた1.7GHz帯の周波数の取り扱いについては、「ソフトバンクは将棋で言えば成金(敵陣に入って金将になった歩駒のこと)。新規参入事業者とは呼べなくなるので、しかるべき対応をすべきだと思う」と話し、割当周波数の返上を暗に求めた。
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