ドコモ、FOMAの拡販で減益に--通信関連の収入は横ばい

永井美智子(編集部)2006年01月31日 20時11分

 NTTドコモは1月31日、2006年3月期における第3四半期まで(4〜12月)の決算を発表した。第2世代携帯電話(2G)のmovaから3GのFOMAへの移行は計画通り進んでいるものの、端末販売のための奨励金やキャンペーン費用などがかさんで、営業利益が前年同期比7.7%減となった。

 第3四半期までの業績は表の通り。売上高にあたる営業収益が前年同期比1.7%減となった。通信関連の売上高で全体の86%を占める携帯電話収入は前年とほぼ同水準の3兆1303億円となったものの、2年以上同じ端末を使ってるユーザーに無料で電池パックを提供するなどの施策により端末販売量が減り、減収になった。純利益が大幅に減少しているのは、AT&T Wireless Serviceの株式売却益5018億円が計上された前年同期と異なり、大きな特別利益がなかったためだ。

表:2006年3月期第1〜3四半期(4〜12月)決算
金額(円) 前年同期比(%)
営業収益 3兆5822億4800万 ▲1.7
営業利益 6934億8000万 ▲7.7
税引前利益 8111億8900万 ▲35.1
純利益 5163億9900万 ▲31.7

 FOMAの契約者数は2005年12月29日に2000万件を突破し、ドコモ契約者におけるFOMAユーザーの比率は40%に達した。また、第3四半期(10〜12月)の解約率は0.72%と過去最低になった。契約年数が長いほど料金の割引率が高くなるプランや家族割引サービスなどによる施策が奏功しているとドコモでは見ている。契約者1人あたりの月間利用料金にあたるARPUは前年同期比3.5%減の6920円だった。

 ドコモは新サービスの利用状況についても明らかにした。2005年12月より開始した、中学生以下および60歳以上のユーザーの基本料金を月額1575円とするサービス「ファミ割ワイド」の契約者数は1カ月で約18万件に達し、そのうち32%が新規の加入者だという。

 また、2005年9月より開始した月額157円のプッシュ型情報配信サービス「iチャネル」が1月22日に100万契約を超え、1月26日にはおサイフケータイ対応端末の契約者数が1000万件を超えたことを示し、新規サービスが広く受け入れられているとした。

 ドコモは同日、フィリピンの通信会社であるPhilippine Long Distance Telephone Company(PLDT)の株式をNTTコミュニケーションズから譲り受けることを明らかにしている。取得株数は発行済み株式の約7%となる1263万3486株で、取得金額は約521億円。フィリピンにおけるiモードサービスの開始やローミングの実現が狙いだという。現在大手事業者でフィリピンでのローミングに対応しているのはボーダフォンだけといい、エリアの拡大により競争力を高めたい考えだ。

 また、パケット定額料金制「パケ・ホーダイ」を3月よりすべてのFOMA料金ブランで利用できるようにすること(関連記事)、およびPHSサービスを2007年の10〜12月をめどに終了すること(関連記事)も発表している。

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