「どんなiモードコンテンツが儲かりますか? ってよく質問されます」とは、NTTドコモのコンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長である山口善輝氏。11月29日から30日に秋葉原コンベンションホールにて開催されるモバイル技術とビジネスのカンファレンス「MCF モバイル コンファレンス 2005(mobidec 2005)」の初日、おサイフケータイで馴染みの「iモードFeliCa」や定額サービスでグループ会話が楽しめる「プッシュトーク」など、魅力的なコンテンツサービスを紹介しながら、“リアル&リッチ”をキーワードに、リッチコンテンツ市場の現状と、今後のビジネス展開について語った。
「儲かるコンテンツは時流に乗ったもの」NTTドコモのコンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長 山口善輝氏 |
冒頭の「よくある質問」に対する回答となる“儲かるiモードコンテンツ”、いわゆるユーザーの注目度が高いiモードコンテンツとは、「世間と同じものだ」。世間一般で流行・支持されているテーマを取り込んだコンテンツは、iモードコンテンツでもはやる可能性が高いと語る。例えば、最近はやや落ち着いてきたものの、「韓流」をテーマとしたコンテンツはやはりiモードでも人気があるということだ。
iモードの「マイメニュー」登録件数から見た現在の人気コンテンツは、「着うた」に代表される音楽配信だ。また、にわかにブームとなっているのが、占いコンテンツとなっている。そして、急激に利用者を増やしているのが、小説やコミックなどの電子書籍だ。特に、コミックの登録者数の上昇が著しい。また、サービスを開始した当初は「携帯電話で物が売れるのか」と、疑問の声も多かったショッピングサイトもファッションやコスメグッズの購入など、女性ユーザーの利用が多く1つの市場として地位を確立している。
2006年はKDDIのau、vodafoneとの競争に加えて新規参入企業もあり、モバイル通信業界は各社ともさらに厳しい競合が予想される。その対応策として、NTTドコモでは赤外線通信やバーコードリーダーなど、外部インターフェースとの連動を視野に入れて開発を進めてきた。そうした状況の中、料金プラン改正とサービスエリアの拡大とともにFOMA契約者数は1677万契約を超えるまでに増えた。また、おサイフケータイの契約者数も、901iシリーズの全機種に搭載されたことで700万契約を突破し、急拡大している。今後も飛躍的に増大すると予想され、リッチコンテンツの普及が現実化した。
一方、10月19日に発表されたFOMAの新シリーズ902i(関連記事)に搭載された魅力的な機能として、「プッシュトーク」「トルカ」「iチャネル」のサービスを紹介し、定額サービス提供によってリッチコンテンツを手軽に楽しめるようになったことをアピールした。FOMA902iシリーズのラインナップは6種類あり、ソニーとしてはFOMA初登場のSO902iも含まれる。
まず「プッシュトーク」は、902iに搭載されたプッシュトークボタンを押すことで、パケット通信を利用して最大20人までのグループ会話ができるサービスだ。定額サービスの「カケ・ホーダイ」を利用すると使い放題となる。電話でもメールでもない、仲間同士や家族間などでの新しいコミュニケーションとしての提案だ。
次におサイフケータイの新機能となる「トルカ」は、他社のFeliCa搭載機種の登場により、一歩先行くサービスとして提供している。クーポン券やレストランカードなど、これまで店舗で紙媒体として配布されていた情報を、メールやiモードを通して、携帯電話に取り込むシステムだ。店舗の端末に携帯電話をかざせば使用でき、情報の交換も可能になっている。より「おサイフ」としての利用価値が高まる。
そして既に701iシリーズで好評の「iチャネル」は、特別な操作をしなくても待ち受け画面に最新情報が自動的にテロップ表示される機能だ。現在配信中のiチャネルコンテツとしては、ニュースや天気、スホーツ、芸能、占いなどがある。オープンフラットホームにより、誰でもコンテンツの開発や配信が可能だ。今後iモードのコンテンツと同様に、多彩な展開が期待される。
このほか、子供の安全を守るという視点から注目を集めそうなのが、子供向け端末「キッズケータイSA800i」だ(関連記事)。GPSで子供の位置が確認できるほか、緊急時に防犯ブザーで大音量を発するとともに、あらかじめ登録しておいた相手先に音声通話を発信する。また、子どもに危害を加えようとする人間が携帯電話を取り上げた場合も想定して、電源オフ後も設定間隔ごとに自動発信し続けるなどの機能が搭載されている。
最後に、2006年1月からモバイルSuicaサービスを開始する予定であることと、おサイフケータイに利用金額をチャージする現在のプリペイド形式決済から、チャージ無しで直接クレジットカード決済が可能な「IDシステム」を導入する予定であることを明らかにした。
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