総務省は11月9日、携帯電話事業の新規参入に関して、ソフトバンクグループのBBモバイル、イー・アクセス子会社のイー・モバイル、アイピーモバイルの3社を認可すると発表した。3社は2006年から2007年にかけてサービスを始める計画だ。
このうちBBモバイルとイー・アクセスは、NTTドコモやボーダフォンと同じ通信方式のW-CDMA方式を利用し、音声サービスとデータ通信サービスの両方を提供する。周波数帯は1.7GHz帯となる。
サービス開始時期はイー・モバイルが2007年3月15日から、BBモバイルが2007年4月1日からの予定。両社とも、関東地域では2007年3月までに人口カバー率を50%とする考えだ。2012年3月末における契約者数の目標値は、BBモバイルが669万件、イー・アクセスが505万件としている。
アイピーモバイルはデータ通信に特化したTD-CDMA方式を採用する。周波数帯は2GHz帯を使う。サービス開始時期は3社のなかで最も早い2006年10月1日の予定だ。関東、東海、近畿地域では2007年までに人口カバー率を50%以上とする。2012年3月末までに1160万件の契約者獲得を目指す。
アイピーモバイルによれば、TD-CDMAの最大通信速度は下り5.2Mbps、上り858kbpsという。同社はデータカード型端末のほか、自動販売機や車載用端末に搭載させる組み込み型端末、ADSLやFTTHの代替を狙ったモデム型端末、持ち運び可能で携帯型ゲーム機などと無線LANやBluetoothで接続し、モデムとして利用できる携帯型端末の4つを開発する。
新規参入各社の事業計画
|
今回の認可を受け、それぞれのコメントも発表されている。ソフトバンクは「BBモバイルはこれまでHSDPAや3Gと無線LAN、WiMAXとのハンドオーバーなどの新技術の実験、研究に取り組んできた。このたびの申請の認定により、ソフトバンクグループにおけるワイヤレスブロードバンドの本格的展開と真のユビキタス社会を実現する革新的な新サービスの提供に向けて、さらにまい進する」とした。
イー・アクセスは「総務省電波監理審議会が発表した新規参入を認める旨の答申は、公正かつ迅速な審査のもと、寡占状態にある携帯市場に対する競争促進を積極的に後押しするものであると考える。本答申を受け、当社子会社のイー・モバイルは総務大臣より認定を正式に受けた後、開設計画に沿って基地局を展開するとともに新たなビジネスモデルと革新的なサービスを実現し、日本の携帯電話をADSLと同様に世界第一級の市場に発展させるべく全力で取り組む」とコメントしている。
また、アイピーモバイル代表取締役の杉村五男氏は「当社の提唱するサービス・技術が評価され、社会の重要な資産である電波を預かることになり、身の引き締まる思いだ。インターネットのルネッサンスとも呼べる全く新たなサービス・価値を提供し、国民の生活をより豊かにすることに努める」と話している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス