ウィルコムは10月20日、OSにWindows Mobile 5.0日本語版を採用したシャープ製のPHS端末「W-ZERO3」を発表した。PHSのSIMカードである「W-SIM」を差し込んで利用する。発売は12月上旬の予定だ。
国内の携帯電話やPHS端末で、Windows OSを搭載したのはW-ZERO3が初めて。Windows Mobile 5.0 for Pocket PCの搭載により、PCで作成したWordやExcelが編集可能で、PowerpointやPDFも閲覧できる。メールやInternet Explorerのお気に入りなどのデータはPCと同期可能だ。Windows Media Player 10 Mobile for Pocket PCを内蔵し、PCから音楽データを移して着信音に設定できる。PHSのほか、無線LAN(802.11b)でも通信可能だ。
ブラウザにはInternet Explorer Mobileを採用しており、PC用サイトが見られるほか、Flashにも対応する。ウィルコムのライトメールだけでなく、POP/SMTPメールも送受信できる。CPUにはIntelのXScaleプロセッサであるRPXA270 416MHzを採用した。
アプリックスのJavaプラットフォームである「JBlend」を搭載し、Javaアプリケーションが利用可能だ。タッチパネル式の3.7インチVGA(既存の携帯電話に搭載されているQVGA液晶の約4倍の解像度を持つ)液晶ディスプレイやパソコンと同様のQWERTY配列のスライド式フルキーボード、133万画素のデジタルカメラを搭載する。ただし、 携帯電話端末のような数字キーは搭載しておらず、電話をかける場合はタッチパネル上に表示される数字ボタンを押して発信する。このほか、電子書籍が閲覧できるブンコビューアも搭載した。
発表会に登場したマイクロソフトのダレン・ヒューストン氏は「W-ZERO3の発売日はXBox 360の発売日と重なるかもしれない。ぜひクリスマス向けに両方買って欲しい」とアピールした
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ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏はW-ZERO3について、「フルブラウザだけでなく、MP3プレイヤーやWMV(Windows Media Video)プレイヤー、Flashプレイヤーの機能を取り込み、128bit SSL通信にも対応する。インターネットを楽しむための機能を数多く盛り込んで、PCのインターネットの世界をどれでも楽しめるようにした。多機能を求めるユーザーにも十分納得してもらえるだろう」とした。
W-ZERO3の名称については「“W”はWindows、Willcom、Wirelessの頭文字。“ZERO”はゼロから新しい世界を作っていくという意味で、“3”はPC、ケータイに次ぐ第3のツールであるということと、PHSデータ・音声・無線LANの3つが利用できるコミュニケーションツールであることを示す」(八剱氏)とのことだ。
ウィルコムではW-ZERO3をモバイルPCや多機能携帯電話の代替として売り込む考え。同社の調査によれば、POPメールやフルブラウザなどの多機能携帯電話を求める層の約10%にあたる約270万人と、モバイルPCの代替を求める層の約173万人がW-ZERO3の潜在市場となるという。
W-ZERO3はW-SIMとセットで、量販店やウィルコムのオンラインショップ「ウィルコムストア」で販売される。価格はオープンだが、実売価格は5万円以下になる見込みだ。2005年度中に10万台の出荷を目指す。
将来的にはW-ZERO3単体での販売も検討しているが、この場合販売代理店へのインセンティブがなくなるため、「セット販売よりも高くなる可能性が高い」(八剱氏)という。
W-ZERO3はUSBでPCと接続した場合、外部モデムとして利用することもできる。料金プランは通話定額サービスの「ウィルコム定額プラン」(月額2900円)、データ通信定額サービス「データ定額」(同1050円から)が利用可能だ。
無線LANの対応にあわせて、新たに「ウィルコム無線LANオプション」という通信プランを用意した。これはNTTコミュニケーションズの公衆無線LANサービス「ホットスポット」が利用できるもので、料金は月額700円。2006年5月末までは試験サービスのため無料で利用できる。このプランは2006年6月からはW-ZERO3ユーザーだけでなく、データカードのユーザーも利用可能で、256kbpsの通信サービス「AIR-EDGE[PRO]」の契約者は利用料が無料となる。
このほかのW-ZERO3の主な仕様は以下の通り。
無線LANに対応した新PHSの「W-ZERO3」 |
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