ウィルコムは10月19日、W-SIM(ウィルコムシム)とW-SIM対応の音声通信端末「WS001IN」(愛称はTT、Tiny Talk)、W-SIM対応のデータ端末「WS002IN」(愛称はDD、Data Driver)を11月25日に発売すると発表した(フォトレポート)。これと同時に、今回の製品専用のスペシャルサイトも開設された。
W-SIMは、PHS無線通信技術(アンテナ部と無線機)を搭載し、電話帳などのユーザーデータを併せ持つ汎用性のある多機能通信モジュールだ。W-SIMや対応端末は、工業デザイナーでリーディング・エッジ・デザイン代表の山中俊治氏がプロデュースし、開発から携わった。W-SIMは、通信機器などのメーカーがPHS端末の開発を効率的で容易にするための「コアモジュール戦略」を具現したもので、約2年半前から開発をしたという。
今後、このW-SIMを本体とした端末が登場するが、その第一弾が音声端末のTTとデータ通信端末のDDというわけだ。どちらもネットインデックス(旧本多エレクトロン)の製品。
音声端末のTTは、1.4インチ、6万5536色表示のTFT液晶を採用し、大きさはおよそ47.8×101.0×20.4mm、重さは約66gとなっている。連続通話時間は約5時間で、連続待受時間は約500時間。カラーはブルーとグリーン、レッドの3色がある。W-SIMは端末上部に挿入口があり、電源を入れたままでも抜き差しできる。
山中氏は「最小限のボディと機能に絞り込んだ」とし、カメラやブラウザ機能はない。また、特徴的なのは、一般の携帯端末とは異なり通話ボタンが端末の側面にあることだ。これについて山中氏は、「最初に使ったときにはなかなか慣れないかもしれないが、コンパクトにすることとW-SIMの抜き差しなど考えてこの位置にしてみた」と話した。
WS002IN |
データ端末のDDは、4xパケット通信に対応したUSB型データ通信端末でUSB 1.1に準拠している。大きさは43×54×12mm、重さはW-SIMを除いて約30g。端末には折りたたみ可能なソフトコネクターがついている。通信は、4xパケット通信、1xパケット通信、フレックスチェンジ、64/32kbpsのPIAFSをサポート。
両製品共に、この日にオープンしたECサイト「ウィルコムストア」でオンライン販売され、予約は10月26日から受け付ける。
通信モジュールのW-SIMとDDをセットにした「SIM STYLE "DDセット"」は、新規、機種変更共に税込み5800円。DDセットとTTをセットにした「SIM STYLE "TTセット"」は、各色3000商品(合計9000商品)の限定発売で、新規、機種変更共に税込み2万2800円。W-SIMが含まれないTTのみの「SIM STYLE TT(Tiny Talk)」は、各色3000商品(合計9000商品)の限定発売で、税込み2万4800円。
TTセットとTT単体はオンラインだけの販売だが、DDセットは量販店でも販売される。
また、ウィルコムはPHS無線通信部分をモジュール化することにより、汎用的に使える環境を構築することでワイヤレス通信市場の拡大を推進するため、「WILLCOMコアモジュール フォーラム(仮称)」の設立を準備している。賛同する社数はまだ公表できないようだが、規約などの作成は順調で、年内には設立できる見込み。具体的には、CSCの提供する「CSCエンジン」やW-SIMなどを「WILLCOMコアモジュール」と総称し、コアモジュールを中心とした商品を開発していく予定だ。
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