BluetoothとUWB関連の技術開発に取り組む企業各社が、互換性実現に向けて共同の取り組みを進めることになったことから、互換性のない各種の無線技術が乱立する状況にわずかながら改善の兆しがでてきた。
Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は米国時間4日、UWBの開発者らと協力しながら、双方の技術に互換性を持たせることになったことを発表した。これにより、Bluetooth技術に対応している数多くのデバイスで、いずれはUWB技術の提供する高い転送レート(3〜6メートルの範囲内で100〜200メガビット)が実現することになる。対象となるデバイスには、携帯電話などのハンドヘルド製品や車載製品が含まれる。
Wi-Fi、Zigbee、Bluetooth、UWB、Near Field Communication(NFC)などの無線ネットワーク技術は、用途の一部に似たところがあるものの、いずれも異なる目的への利用に適しており、互換性を欠いている。たとえば、Wi-Fiは受信範囲が広く、スループットも高いため、無線ネットワークを必要とするほとんどの状況で使用されているが、一方で消費電力もかなり多い。それに対して、Bluetoothは消費電力が小さいため、携帯電話などのデバイスに適していると見られている。
アナリストらは、BluetoothとUWBの両陣営が協力することについて、無線ネットワーク市場における自然な流れだと見ている。
Bluetooth SIGのMichael Foley(エグゼクティブディレクター)によると、この動きの背景には、いろいろな要素があるという。IntelやMotorolaなどの同グループの主要メンバーは、UWBの仕様開発における主要メンバーでもある。そして、デジタルメディアの広がりと共に、消費者が簡単にデータを送受信するには、より高い転送レートが必要なことは明らかだった。
「(Bluetooth SIG)内部で、今後数年に渡るロードマップを作成してみると、より高い転送レートが必要であることは明らかだった。そのため、共同または協力して作業すべきかを話しあった」とFoleyは述べた。「インストールベースを守ることは非常に重要だった」(Foley)
同氏はさらに、Bluetooth技術を搭載する現行デバイスとの上位互換性が、UWBと互換性将来を持つ将来のバージョンでもきちんと保たれるかぎり、他のグループと共同で作業を進めることが最良の選択だと付け加えた。
「問題の解決に単独で取り組むには、多くの時間やリソース、金銭が必要だった」(Foley)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」