独立行政法人情報通信研究機構(NICT)、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、富士通、沖電気工業、日立製作所の5者は3月31日、超低消費電力の無線通信方式であるIEEE802.15.4aの規格骨子に5者の共同提案が採用されたと発表した。
802.15.4aはセンサーなどの制御情報をやりとりするネットワークのために開発されたもので、低消費電力ながら通信と距離測定が同時にできる点が特徴だ。低消費電力の通信規格「ZigBee」の物理層として採用されている802.15.4よりも距離測定の精度が高く、通信速度が高速化している。
NICT 無線通信部門横須賀無線通信研究センター UWB結集型特別グループの安井哲也氏によれば、802.15.4aは乾電池1本で1〜2年連続駆動できることを目指しており、通信速度は数Mbpsとなる見込みだという。
802.15.4aには全部で26件の提案があったが、全提案を一本化した標準骨子が3月14日から18日まで開催されたIEEE(米国電気電子学会)の作業グループ15タスクグループ4aの会合で採択された。5者の共同提案の主要内容はすべて採用され、標準骨子の核となっているという。
802.15.4aでは標準骨子としては世界で初めてウルトラワイドバンド(UWB)技術が採用されている。UWB技術とは広い帯域を利用し、低消費電力で高速通信を実現する技術だ。UWB技術を使う方式としては100Mbps以上の通信速度を目指す802.15.3aが有名だが、仕様の標準化をめぐってIntelなどのWiMedia-MBOAとMotorolaなどのUWB Forumという2つのグループが争いを続けており、標準化が進んでいない。
802.15.4aは2006年7月の標準完成を目指しており、今後は今回採択された標準骨子に従って詳細な標準案の作成作業に入るとしている。
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