イー・アクセスは11月4日、第3世代携帯電話(3G)事業に参入する意向を表明した。新たに携帯電話用に割り当てられる1.7GHz帯を利用し、定額制の高速データ通信サービスを提供する。2006年度中のサービス開始を目指す。
音声・データ通信の両方を提供するが、定額制となるのはデータ通信のみ。PCに接続してインターネットを利用した場合でも定額料金にするという。「準定額ではなく、純粋な定額制だ。ADSLの無線版だと思ってもらえればいい」(イー・アクセス代表取締役COOの種野晴夫氏)。現在NTTドコモやKDDIが提供しているデータ定額制はiモードもしくはEZwebを介したサービスだけで、PCなどにつないでインターネットを利用する場合は別途従量課金となっている。
イー・アクセス代表取締役社長兼CEOの千本倖生氏 |
3GにはNTTドコモやボーダフォンが採用しているW-CDMA方式と、KDDIが採用しているCDMA2000方式の2つがある。イー・アクセスでは、両方式の特性などを比較して2004年中に方式を決める考えだ。W-CDMA方式の場合は下り最大14.4Mbps、CDMA2000方式の場合は同3.1Mbpsの速度が出るという。
これまで同社はTD−SCDMA(MC)というTDD(時分割複信)方式で携帯電話事業に参入するとしていたが、今後は1.7GHz帯を利用したFDD(周波数分割複信)方式での参入を中心に据えていく。突然にも思えるこの方向転換は、総務省が9月30日に発表した周波数の再編計画に基づくものだ。
「今までは1.7GHz帯は携帯電話に利用できないと聞いていた。1.7GHz帯は2GHz帯に比べて電波効率や浸透率などの点で優れているうえ、端末の開発実績があるメーカーも多い。投資効率や(開発)スピードを考えたら、当然1.7GHz帯に参入すべきだと考えた」(同社代表取締役社長兼CEOの千本倖生氏)
ソフトバンクBBが求める800MHz帯の新規割当についても、「もし割当があるのであれば、当然参入したい」(千本氏)と意欲を見せた。
1.7GHz帯の割当についてはNTTドコモやボーダフォンのほか、新規参入を狙うソフトバンクBBなども名乗りを上げている。総務省では2005年1月まで「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」を開催し、各社の要望や有識者の意見を踏まえて割当方針を決める考えだ。
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