AT&TとPacific Gas and Electricは米国時間14日、電灯線を使ったブロードバンド(BPL)の試験運用を行うと発表した。BPLは高速インターネットアクセスの提供で、ケーブルテレビやDSLの代替技術として有望視されている。
両社は、カリフォルニア州メンローパークにある約100世帯の家庭を使って、この実験を行う。このテストでは、電力網を利用して13Mbpsのインターネット回線を道路上の電柱に設置されたWi-Fiリピータまで引き込み、そこから先は最大3Mbpsの無線接続で各家庭を結ぶという。参加者にはCisco SystemsからWi-Fi電話機が提供され、ブロードバンド回線を使った電話も利用できることになる。
半導体メーカー各社は、少なくとも2005年までに、BPLの高速化実現に必要な品質改良を実施するとしており、AT&Tではそれまで同技術に関する試験運用以上のこと行う計画は一切検討していない。それでも、AT&Tのローカルネットワーク技術ディレクター、Irwin Gerszbergは、BPLによる高速接続が可能になれば、家庭からのネットアクセスも大幅に高速化できると話している。
「試験運用では、3メガビットなら問題ない。だが、ネットワークが混雑した状況になると持ちこたえられなくなるだろう」(Gerszberg)
電気はインターネットの信号よりも低い周波数で伝わるため、両者は同一線上で干渉することなく共存できる。電灯線は、既に設置済みでケーブルテレビや電話回線よりも多くの家庭に到達しているため、ブロードバンド配信システムとしても魅力的だ。
同技術のデモには、連邦通信委員会(FCC)議長のMichael Powellも立ち会った。同氏は、電灯線ブロードバンド技術を使えば「米国の全家庭のコンセントにブロードバンド回線を提供することが可能になる」と話している。FCCは、ブロードバンド回線の利用が可能な米国の世帯数を、現在の約2920万世帯から大幅に増やすよう迫られている。
AT&Tと他の地域の電話会社はBPLを支持しているが、これはBellSouth、Verizon、Qwest、SBC Communicationsの各RBOC(地域電話会社)保有の市内電話網に頼らなくても、各家庭へサービスが提供できるようになるからだ。
利用料金を低く設定した電話競争規定が先月なくなったことで、RBOC各社はアクセス料を引き上げると見られている。これに応じる形で、BPLやワイヤレスブロードバンドなど、家庭につながる「ラストマイル」の代替回線に注目が集まり始めている。
しかし、BPLにはまだ問題がある。同技術は信頼性が低いと考えられており、しかもまだ非常に高価だ。これらの2つの欠点により、同技術の普及はまだ進んでいない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」