各種機能を満載したNokiaのスマートフォン「9500 Communicator」は今年後半に出荷の予定だが、同社は中国でのこの製品の販売を諦めることになりそうだ。
802.11b無線通信規格、Bluetooth、そしてEDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)の各無線ネットワークをサポートするこの新型電話機が、中国が定めたWi-Fi暗号化技術に関する標準の新たな犠牲者として注目を集める可能性がある。
Nokiaの関係者は、「中国の規制は昨年12月に発表されたばかりで、その時点では既に我々の製品は完成していた。こうした事情から、6月1日の期限に間に合わせるのは非常に難しいだろう」と語り、現在は事態の推移を見守っていると付け加えた。
この6月から、中国で販売されるすべてのWi-Fi機器は同国が開発し、国内企業が管理する独自のWired Authentication and Privacy Infrastructure(WAPI)プロトコルに準拠しなくてはならない。これに関し、先週もチップベンダー大手のIntelとBroadcomが、新たな要件を満たせないことを理由に中国でのWi-Fi製品の販売中止を明らかにしている。
この問題は、Nokiaのエンタープライズシステムグループにとって、わずかながらも後退となる。設立から日の浅い同グループでは、新しく出されるCommunicatorを主に法人ユーザーに売り込もうとしているが、今後は中国以外の企業だけをターゲットにすることで満足しなければならない可能性も出てくる。
同グループは、収益性が高いエンタープライズ市場重視を鮮明にする全社レベルの取り組みの一環として、昨年の10月に設立された。Nokiaでは、この市場がまだ黎明期にあり、今後「膨大な」収益をもたらす潜在力があると考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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