NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は3月3日、映像品質を制御できる圧縮技術「スケーラブル映像符号化技術」を利用したリアルタイム双方向映像通信システムを開発したと発表した。このシステムを使うことで、インターネット上で遅延のない双方向映像通信が可能となる。
従来のテレビ会議や携帯電話を利用したテレビ電話などでは、送信側から固定品質の映像を送信するため、受信側の環境によって遅延が発生するなどリアルタイム性に欠けるものがあった。今回開発した技術では、ユーザーのインターネット利用環境の設定に合わせて、ネットワーク上に設置された「スケーラブル変換サーバ」においてやり取りする映像の品質を適宜変更することができる。
システムの中心となるスケーラブル映像符号化技術は、1つの映像フレームを複数階層に分けて画像圧縮するもの。再生時には、階層ごとに圧縮された画像データを複合化して重ね合わせることで、粗い画質から鮮明な画質までを再現する。スケーラブル変換サーバを利用することで、各端末で圧縮された映像は利用者情報に基づき最適な階層の画像データとして受信側の端末に送信される。
対象となる端末はPCだけでなく、PDAやFOMAなど携帯端末も含まれる。携帯端末の利用について、NTT Comでは「無線LANサービスにおけるホットスポットなどのユビキタス環境での利用を視野に入れた」としている。このようにFOMAからPC、もしくはPDAへといったように、異機種間でもリアルタイムの映像を送受信できるのが特長だ。
また、プロキシを経由するなどのセキュリティ環境でも利用可能。このため、企業間での会議や企業と顧客との通信など、多様な利用シーンで安全に通信が行える。
NTT Comでは、社内外における検証実験を実施して各種データを収集する予定。将来的にはテレビ会議システムなどに組み込めるよう技術レベルおよび利便性の向上を進めていく。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力