英Vodafoneは米Microsoftの携帯電話用OSについて、「採用は時期尚早」と判断し、同OSの採用を見送ることにした。
このコメントはVodafoneの最高経営責任者(CEO)のArun Sarinが述べたものだが、これまでなべて良好な関係を続けてきた両社にしては意外なものといえる。
MicrosoftのWindows Mobile OSは、今年欧州の携帯電話会社Orangeで使われている米Motorolaの電話機MPx200のほか、Orangeの「顔となる電話機」であるSVPにも搭載された。しかしMicrosoftの前途には、Symbianという強力なライバルが待ちかまえている。Symbianは、業界最大手のフィンランドNokiaなどがサポートしているOSだ。また、現在スタンドアロンのPDAだけでなく、スマートフォンへの採用にも同程度の力を傾けているPalm OSさえもが、Microsoftのライバルとなる。
Sarinは、ファイナンシャルタイムズ紙(FT)のインタビューの中で、「Microsoftが我々の見つけた問題箇所の解決に向けて、すでに作業を進めていることを期待している。先々彼らの準備が整った際には、(採用に関して)話し合いを持つことにやぶさかではない」と語った。
Microsoftの広報担当者はこれに応えて、「今日、Windows Mobileベースのスマートフォンが、業界をリードする携帯電話キャリアや携帯電話機メーカーから出され、欧州・米国・アジアの各市場で利用できる。Microsoftは、Vodafoneと様々な分野で協力を進めており、このなかにはモバイルWebサービスの標準化に向けた取り組みもある。我々は、Vodafoneと協力し、Windows MobileベースのスマートフォンをVodafoneの顧客に提供できることを期待している」と述べた。
Sarinはまた、Vodafoneブランド全般についてと、世界最大のキャリアである同社が携帯電話機メーカーと今後いかに協力するかについても語った。
Sarinは目標は、分かりやすい例でいえば、エンドユーザーが「Nokiaの携帯電話機」ではなく、Vodafoneの電話機を求めるようになることだ。たとえば、日本のNTTドコモは、常にそのブランド力にものを言わせており、同社が大量の発注を行う際には、どののメーカーの電話機がどれほど露出するかを自社で決定できると主張している。
Nokiaの携帯電話機へのVodafoneの依存は過去数年間で弱まりつつあり、同社はいまやメーカーに対してより多くの要求を出せる立場にあり、シャープに200万台のVodafone Live!対応電話機を発注し、自社の要件に合わせて特別生産させたことは有名になった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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