シャープは12月9日、パソコンで使われているワープロ文書や表計算、プレゼンテーションデータなどのビジネス文書やグラフィックスを、国際標準規格SVG-Tiny(エス・ブイ・ジー・タイニー)のフォーマットに変換し、携帯電話で拡大・縮小表示できる「電子ドキュメント表示システム」をカナダBitFlash社と共同で開発したと発表した。
「電子ドキュメント表示システム」は、携帯電話のように限られたCPUパワー、メモリ資源でビジネス文書をスムーズに表示するレンダリング(描画)技術、ビジネス文書に含まれる写真・図形・文字などを合成し、レイアウトを保持した拡大縮小表示に対応する合成表示技術、小さな画面でも見やすいフォントの表示を可能にするベクトルフォント自動生成表示技術(LCフォント)など、同社が長年培ってきたベクトルグラフィックス表示技術に、BitFlash社のSVG表示技術、ドキュメント変換技術を融合することで実現したもの。
新たに開発した「携帯電話用グラフィックス再生技術」および、ビジネス文書ファイルを携帯電話配信向けに変換・軽量化する「電子ドキュメント変換サーバー」を利用している。また、グローバルな環境でのデータのやりとりを考慮し、国際標準規格であるSVG-Tinyに準拠した。
SVG-Tinyは、画像を「点」の集合ではなく、「線や図形」(ベクトル)の集合で表現するため、表示液晶画面の大きさや解像度にかかわらず、滑らかな描画が可能。これによって、オフィスなどで利用しているビジネス文書を携帯電話の画面でも利用者の目的に応じ、拡大・縮小して表示することができ、パソコンとスムーズに連携して、よりビジネスの効率化を図ることができる。
なお、今回開発した「携帯電話用グラフィックス再生技術」を使った再生ソフトウェアは、ボーダフォンが国内向けに販売する同社製携帯電話「V601SH」に、新規グラフィックス再生機能(SVGファイル再生機能)として搭載する。
同社では今後、「電子ドキュメント変換サーバー」を活用したサービス、ソリューション提供に向けて、通信事業者、システムインテグレータとの連携も視野に入れ、新しいマーケットを開拓していく方針。
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