サンノゼ発--業界の主だったグループの代表者が集まり、まもなく登場するWi-Fi標準について最新状況を発表した。これらの標準は、今後の新製品の開発にあたり、ツールメーカー各社がどんな技術に取り組むべきかを決めるもとになる。
米国時間3日に開かれたWi-Fi Planetカンファレンスのパネルセッションのなかで、IEEEとWi-Fi Allianceの関係者は、セキュリティ、通信速度やVoIP(Voice over Internet Protocol )など、さまざまな機能を改善するために、802.11a/b/gと併用する各種プロトコルに関して、今後の様々な予定を発表した。
これらの業界団体は、Wi-Fiワイヤレスネットワークの人気を高め、採用を促すうえで、大きな影響を及ぼしてきたが、採用の決定や、標準に準拠した装置の試験に時間がかかり過ぎているため、多くの関係者が不満を感じている。製品の開発や相互接続性を保証するうえで、標準の定義を明確にし、試験を行うことは欠かせない。
パネルセッションのなかでIEEEの802.11ワーキンググループ議長のStuart Kerryは、ワーキンググループに加わり、次の規格に新しい機能を盛り込むよう働きかける企業が増えたため、標準策定のプロセスが複雑になり、時間もかかるようになったと説明した。
802.11iセキュリティ規格は、ワイヤレスネットワークのセキュリティ問題に関する懸念を解消するために、多くの企業や機器メーカーが首を長くして待っているものだ。同標準が実装されれば、大企業内でWi-Fiワイヤレスネットワークがさらに普及すると見られている。Kerryによれば、この標準の策定は予定通り進んでおり、来年半ばには完成するという。
IEEEは、毎秒100メガビット以上の転送レートを可能にする高スループット802.11n規格に取り組んでいるが、こちらはしばらくは実現しそうもない。Kerryが示した工程表では、2005年と2006年の間に完成することになっている。
ワイヤレスネットワーク上でVoIPのようなアプリケーションの品質を改善する802.11e「サービス品質」標準は、2段階で決まる。第1段階の「Wireless Multimedia Extensions」はシンプルで、来春までにまとまる。いっぽう、「Wireless Scheduled Multimedia」のほうは、来年後半までかかる。なお、この技術が実現すると、多くのユーザーがワイヤレスネットワーク上で確実にデータを転送できるようになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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