Ultrawideband(UWB)と呼ばれる新しい無線技術に関して、その標準化を進めるための重要な会合が、2つの異なる仕様の対立によって膠着状態に陥り、多数派であるMultiband-OFDM Alliance(MBOA)が、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)の認可なしで標準開発を進めようとする事態に発展した。
UWB技術をめぐる2大陣営とは、Multiband-OFDM Allianceと、米Motorolaおよび米XtremeSpectrumのグループだ。両陣営とも、自らの技術が、高速・省電力のワイヤレスデータUWB通信システムに関する米国の規制に適応していると主張している。
UWBは、毎秒400Mbps近い速度で接続できる、低価格無線技術として期待されており、家庭用や携帯用機器でのデジタルメディア配信において、莫大な可能性を秘めているとされる。
標準制定を担当するIEEEの802.15.3aグループは今週、ニューメキシコ州アルバカーキで会合を開いた。報告によると、MBOAの主要メンバーである米Intelは、Motorolaを機密保持契約に違反したとして非難し、両陣営を和解させる試みは失敗に終わったという。標準化の次の段階に進むには、投票で75%の多数票を獲得しなければならないが、MBOAが集めたのはわずかに58%だった。
IntelのWireless Technology Developmentグループの共同ディレクター、Ben MannyはZDNet UKに対し、「MBOAは今後も、我々独自の仕様を開発していく。IEEEの承認が得られるのが望ましいが、必ずしも必要なことではない。重要なのは、IEEE 1394(FireWireコンソーシアム)やDigital Home Groupなどが取り組んでいるように、人々がこの仕様をもとに実際に製品を作り出せるということだ」と述べている。またMannyは、「相手方が何をやっているかと推量するのは、もうやめにした。標準争いはしたくないが、今後争いが生じることは想像できる」とも話した。
両陣営の主張や反論は公にはされていない。しかし両者の意見対立の主な内容は、他の無線ユーザーとの干渉の可能性や、標準実装に必要なチップの価格や複雑さ、そして消費電力などの問題であることは知られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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