シンガポール発-- 世界中で、携帯電話を使ってストリーミングビデオを見たり、あるいは高速モバイルデータサービスを利用する人の大半が、数年以内にGSM携帯電話を利用することになるだろう、とGSM標準を支持する業界団体のトップが語った。
3G(第3世代)電話向けのGSM(Global System for Mobile Communications)標準が世界市場を独占するだろうと語るのは、同標準を支援する業界団体、GSM AssociationのCEO、Rob Conwayだ。
かつてWCDMAと呼ばれたGSMの3G向け標準は、3GSMというブランド名に改名されている。
「2008年には、3GSMが至る所で利用されるようになるだろう。ローミングを行う場合も、3GSMが唯一の手段となる」と、Conwayは24日(現地時間)に語った。
Conwayによると、世界の携帯電話事業者の85%が、音声ベースのGSMからの自然な流れとしてWCDMAを採用しており、CDMA2000 1x EV-DOなど、ほかの競合標準は、3Gをめぐる争いでWCDMAに大きく遅れを取っているという。
GSM Associationによると、204カ国の594の事業者がGSMを採用しており、世界の総人口のおよそ99.7%がGSMを採用したことになるという。GSMを採用する事業者の3割は、アジア太平洋地域の事業者だ。現在同地域は、世界の総加盟者数の41%に当る3億7000万人のGSMユーザーを抱えているという。
現状では、競合するCDMA2000 1X EV-DO標準の方が、3GSMよりも遥かに早いスピードで普及している。現在、WCDMAとCDMA2000 1X EV-DOを合わせて、およそ20の既存の実稼働ネットワークがあり、加入者を求めて凌ぎを削っている。
現時点では、CDMAユーザーの間では、依然としてEV-DOの採用率の方が高い。例えば韓国のSK Telecomは150万人近いEV-DO加入者を抱えるが、日本のNTT DoCoMoが抱える3GSMへの加入者数は、わずか50万人程度に過ぎない。
しかし、圧倒的大多数のユーザーがGSMを利用しているため、いずれWCDMAは加入者数で、EV-DOを上回るだろう。
3GSMを支援している事業者としては、米AT&T Wireless、英Vodafone Group、日本の携帯電話会社NTT DoCoMo、中国の独占携帯電話事業者China Mobileなどが挙げられる。
中国が独自に開発した携帯電話標準TD-SCDMA(time division-synchronous CDMA)は、3GSMと似たプロトコルを使用しているため、3GSMの補完的役目を果たすものとなるだろうと、とConwayは語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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