あるアナリストレポートによると、スマートフォン業界では徐々に少数のプラットフォームに集約されつつあり、ワイヤレス業界でもパソコンと同様のコモディティ化の懸念が生じているという。
このレポートを執筆した米調査会社Allied Business Intelligence(ABI)のアナリスト、Kenil Voraは「これまでスマートフォンの分野ではプロプライエタリOSなど、様々なプラットフォームが出現したが、その中で市場を支配できるのはわずか2、3個程度だと、ABIでは考えている」と述べた。
NokiaとMicrosoftが高性能携帯電話用プラットフォームの事実上の標準化に向けて凌ぎを削っており、業界全体も両社の動向に注目している。
「Microsoftが虎視眈々とOEM契約締結を狙う一方、NokiaもほかのOEM企業にSymbian OSとSeries 60プラットフォームを使用するよう働きかけており、両社の争いは今後益々激しさを増すだろう」(Vora)
同レポートによると、世界のワイヤレスOS/ミドルウェア(JavaやBREWなど)業界は、2008年には7億8500万ドルを上回る市場に発展し、2002年から2008年までの年間平均複利成長率(CAAG)は45%に達すると見られている。また世界のスマートフォン出荷台数の向こう5年間のCAAGは、105%と予測されている。
Nokiaが支持するSymbian OSは個人向け携帯電話機メーカーが使用し続ける一方、Microsoftのスマートフォン向けモバイルプラットフォームは企業向けに使用されると、Voraは見ている。
かつてパソコン業界では、WindowsとIntelが市場を独占したことで製品のコモディティ化が進み、その結果ハードウェアメーカー自体も差別化が難しくなった。
「携帯電話用OSが標準化されれば、携帯電話専門のOEM企業は大幅なコスト削減が可能になるが、一方でOEM企業はOSの独占化に対し依然として強い懸念を抱いている。OSの独占化が進めば、PC業界と同様に、携帯電話のサプライヤはかやの外に置かれてしまうからだ。そのため携帯電話のOEM企業は、標準化された携帯電話用OSを使用するという発想に馴染むのに時間がかかっている」(Vora)
最近、Intel、Microsoft、Motorola、Texas Instrumentsの4社が共同で、あるいは個別にPDA 型携帯電話機のリファレンスデザインをメーカーに提供したのを、ほかの複数のアナリストが確認している。これらのデザインがあれば、台湾や中国のメーカーはチップを混ぜ合わせたり組み合わせることにより、携帯電話を開発することができる。これはパソコンのコモディティ化の時と全く同じ動きである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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