米Microsoftは米国時間の1月6日、CDMA(Code Division Multiple Access)の高速バージョンに対応したソフトウエアを発表。フィンランドのNokiaに勝負を挑む。
ソフトウエアの巨人Microsoftは携帯電話機市場で一歩出遅れていた。というのも、同社の携帯電話機向けOSが対応していたのは、欧州で普及しているGSM (Global System for Mobile Communications)とGPRS (General Packet Radio Service) のみだったからだ。
その一方で、Nokiaは英SymbianのOSを採用しており、すでにGSM・CDMAという2大携帯電話方式はもちろん、その関連技術のほぼすべてに対応している。
今回の発表で、日立製作所のMultimedia Communicatorと韓国Samsung Electronicsのi700にMicrosoftのソフトウエアが採用されると明らかになった。この2つがMicrosoftのCDMA向けソフトを搭載する製品として先陣を切ることになる。両製品はCDMA 1xRTT方式にも対応する。これによりウェブページのダウンロードが有線電話と同等の速度で可能になる。なお両製品は共に、8日ラスベガスで開催される「2003 Consumer Electronics Show(CES)」でデモ公開される予定。Microsoftのスポークスウーマン、エド・スワンジンダーは、「日立とSamsungの製品は、CDMAの利用者数が世界一の北米で出荷される」と述べている。
米国では、CDMA携帯電話機の利用者数が1億人を数えている。これに対しGSM携帯電話機の利用者数は1700万人と少ない。GSMはむしろヨーロッパでの普及が進んでおり、ヨーロッパの携帯電話機はほとんどがGSM機である。
「CDMAについて言えば、Nokiaのような(Microsoftの)競合相手は行き届いたサービスを提供してこなかった」とスワンジンダーは言う。「それはNokiaがフィンランドのメーカーだからだ。その関心は主にGSM市場にある。我々はNokiaの戦略も理解はできる。GSM携帯電話の利用者は世界中に7億5000万人いるからだ。しかし、Microsoftは北米という主要市場で好機を得たいと考えている」
このようなNokiaとMicrosoftの技術を搭載する機器は「スマートフォン」と呼ばれ、携帯電話機とPDAの機能を併せ持っている。スマートフォンは現在、300ドル〜500ドルで販売されている。「2007年以降、携帯電話機は年間7億台販売されるが、そのうち3分の1をスマートフォンが占めることになる」とスワンジンダーは言う。
日立とSamsungの製品を販売するキャリアとしては、米Sprint PCSと米Verizon Wirelessが有力だという。
日立は米国におけるMultimedia Communicatorの市場投入に関して、Sprint PCSと協力体制を敷いている。Verizon Wirelessも両社の製品を販売する有力な通信キャリアだ。Verizon Wirelessは、HotmailやOutlookカレンダー機能といったMicrosoftのサービスに容易にアクセスできる無線サービスを提供している。
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