国立大学法人 大阪大学のサイバーメディアセンターとマイクロソフトは、大学のエネルギー消費を可視化する実証実験「大阪大学CMCグリーンITプロジェクト」を開始した。12月1日から開始しており、2011年6月30日まで実験を続ける。
同プロジェクトでは、サイバーメディアセンター豊中教育研究棟内の電力消費を、物理的属性(照明、空調など)とユーザー属性(所属研究室、行動時間帯など)に合わせて可視化する情報システムを構築する。ポータルサイトやデジタルサイネージを通じて電力消費の状況を共有することで、学生や教職員の意識や行動の変化を分析し、消費電力の削減の取り組みに活かしていきたい考えだ。
同システムは、マイクロソフトの技術を活用しながら、同社と協力会社が連携して構築、運用する。
サイバーメディアセンターは、効果的なエネルギーマネジメントの研究・検証を担当。得られた成果は一般に公開されるほか、大阪大学内でも活用を推進する。また、マイクロソフト社員がプロジェクトメンバーとして参加し、効果的なデータ可視化の手法をアドバイスする。
サイバーメディアセンター センター長の竹村治雄教授は、「大学におけるエネルギー消費を可視化することで、学内の利用者にエネルギー消費量を気付かせることが重要。マイクロソフトとの協力を通じて、サイバーメディアセンターのエネルギー消費量を、学内ポータルやデスクトップで表示するガジェットを通じてレポートするなど、特長のある手法でやっていきたい」とコメント。
マイクロソフトでパブリックセクター業務執行役員 文教ソリューション本部長を務めるミシュラ・マニッシュ氏は、「大学とのグリーンITの取り組みは、大阪大学との実験が初。サイバーメディアセンターにおけるプロジェクトを通じて、ITを活用したエネルギー削減の効果的な成果を残していきたい」と述べている。
両者では、実証実験の成果を他大学や企業へも展開できるよう、シンポジウムやセミナーなどを通じて普及させたい考えだ。
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