The Times of Indiaの報道によると、インド電気通信規制庁(TRAI)がインドで「Free Basics」(基本的なインターネットアクセスを提供するサービス)を提供する唯一の企業に対して、同プログラムの一時停止を要請したという。
同サービスが現時点でアクセス可能なのかどうかは不明だ。現地時間12月23日の報道では、匿名の政府関係者がFree BasicsのプロバイダーであるReliance CommunicationsはTRAIの要請に従っていると述べているが、独自に確認したところ、同サービスは今も利用可能であるようだという。
インドで問題になっているのは、Free Basicsはネット中立性の原則に合致しているのか、ということだ。ネット中立性とは、インターネット上ではあらゆる種類のコンテンツやサービスに平等なアクセスが提供されなければならないとする考え方のこと。報道によると、インドの規制当局はコンテンツの種類に応じて異なる価格を設定することの是非を検討しており、Relianceに対して、Free Basicsアクセスの諸条件の詳細を開示するよう求めているという。
Facebookはニュースや母性保健、地元の求人、地方自治体の情報を含むさまざまな分野で一連のインターネットサービスを提供するため、Free Basicsを作り出した。Facebookは同社の「Internet.org」イニシアチブの一環として、それらのサービスを提供している。Internet.orgは、オンラインアクセスが限定的または不可能なアジアやアフリカ、中南米の国々で開始された。
しかし、Internet.orgは激しい批判を浴びてきた。同イニシアチブはFacebookとほかの少数のウェブサイトを優遇する、塀で囲まれた庭を作り出し、実際にはフリーでオープンなインターネットの妨げになる、というのが批判者の言い分だ。世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookがさまざまな企業に無料でのサービス提供を強要している、との批判の声もある。
4月、インドの複数のウェブパブリッシャーは、Facebookが一部のサイトやサービス、プラットフォームを優遇しているとして、Internet.orgから脱退した。
12月23日、Facebookはインドにおける自社の取り組みを擁護した。
Facebookの広報担当者は、「われわれはFree Basicsに献身的に取り組んでおり、Relianceや関係当局と協力して、インドへのインターネットアクセス提供を支援している」と述べた。
Reliance CommunicationsとTRAIにコメントを要請したが、すぐに回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス