今回の決算発表で最も注目を集めたのが、任天堂との協業についてだ。両社は任天堂の会員サービス「Nintendo Account」「My Nintendo」を共同開発するほか、任天堂のIPを活かしたゲームアプリの共同開発第1弾として「Miitomo(ミートモ)」のリリースを予定しているが、いずれもサービス開始時期は2016年3月に再設定。その後の計画としては、2016年度内に5本程度のゲームタイトルリリースとアイテム課金を中心とした収益への貢献を目指すという従来の発表を維持した。Miitomo以降にリリースされるタイトルについては一切発表されなかったが、活用する任天堂のIPに制限は設けず、大型IPをも含めて検討していくとしている。
共同開発においては、任天堂がフロントエンドを、DeNAがバックエンドを担当して相互に連携。サービスリリース後の改善や運用も共同で行っていくとしている。守安氏は「DeNAはユーザーコミュニケーション活性化のノウハウ、課金ビジネスの運営ノウハウ、インフラ運用のノウハウを活かして貢献していく。(リリースに向けて)任天堂との協業は順調に進んでいる。中長期視点で大きな事業に成長させたい」と準備が順調に進んでいる点をアピールした。
リリースを予定しているMiitomoは、任天堂が提供するアバター「Mii(ミー)」を使って友人・知人とのコミュニケーションが楽しめるアプリで、すでに世界で2億人に利用されていることを背景に、日本でのリリース後には8言語100カ国での展開を予定しているという。アプリは無料で提供され、収益モデルはアバターが身に着ける服やグッズなどのアイテム課金を予定しているとのこと。
リリースタイトルの第1弾にMiitomoを選んだ点について、守安氏はMiiの普及率に加えてスマートフォンとの親和性を挙げ、「このタイトルでNintendo Accountのユーザーベースを作り、今後投入するゲームタイトルの集客につなげたい」と語った。また、従来のSNSとの違いについては、ゲーム感覚でコミュニケーションが楽しめるという特長を挙げ、「LINEやTwitterのような既存のコミュニケーションサービスとは一線を画す」と述べた。
ちなみに、守安氏はすでにMiitomoの試作版を体験しているとのことで、同作について「任天堂らしい味のあるタイトル。私のような普段はあまり積極的にSNSに書き込みをしないRead Onlyの人でも、気軽に書き込めてコミュニケーションが生まれる。作り出されるMiiが本人にとても似ているので、リアルなソーシャルグラフをバーチャルで楽しむという新しい楽しさが生まれるのではないか」と期待を寄せた。
なお、コミュニケーションサービスとしての安全面については、モバゲーを運用してきたノウハウを生かして、「どういう形で人がつながるか」「どのようなコミュニケーションを許容するか」といった点で運用ルールを検討していくとしている。
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