「iPad」の販売が伸び悩んでいることをデータが示唆するなか、Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は、「iPad Pro」がPCに終止符を打つと考えている。
Cook氏は、ロンドンのコベントガーデンにあるApple Storeの旗艦店でiPad Proの発売に合わせて開催された特別イベントの中で、「もしPCを検討している人がいるなら、なぜ今さらPCを買うのか、と思う。いや、真面目な話、どうして買うのだろう?」と、記者らに語ったと報じられた。
「人々は(iPad Proを)使い始めると、電話機を除いて、ほかに何も使う必要がないと結論づけるだろう」(Cook氏)
ここでCook氏が想定している電話機が「iPhone」であることは、「iPhone 6s」の好調な売れ行きを考えればなおさら、間違いないと筆者は考える。
Cook氏の発言は大胆な主張だとはいえ、AppleがPCを攻撃するかつてない好機が訪れているのかもしれない。PCの販売は不調で、Microsoftがリリースした「Windows 10」は、プライバシー論争、OEMの技術サポートがWindows 10へのアップグレードを推奨していないとの報道、強引なアップグレード推奨、バグなどの問題を抱えている。PCのエコシステムは脆弱で、賢明なCook氏はこの状況を把握しているのだ。
しかし、iPad Proに手ごわいPCのエコシステムをへこませる力があるかどうかは、また別の問題だ。iPadもかつてほどは売れておらず、iPad Proは高い価格で売り出される。
筆者は、Cook氏に対して逆張りをしたいわけではないが、これがAppleにとってかなり苦しい戦いになるとみている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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