交通事故死は運転支援システムで大幅減--米国では年間1万人弱の犠牲を減らせる

 米国のコンサルティング会社The Boston Consulting Group(BCG)は、自動車に先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems:ADAS)が普及すると、米国では交通事故による年間死亡者数が約9900人減り、約2510億ドルの経済損失を防ぐ効果が得られると見込む。

 ADASとは、前方の障害物や人間などを検知して自動ブレーキをかけたり、死角に隠れてドライバーから見えないところにあるものを検知したりする技術の総称。米国で起きる事故の大半は運転ミスが原因なので、ADASが搭載されていれば全事故の28%を起こさずに済んだ可能性があるという。

 BCGが引用した米国政府の統計によると、自動車事故で死亡する人は1年に約3万3000人おり、負傷者は390万人。自動車の被害台数は2400万台だそうだ。経済損失は年間約9100億ドルにおよび、米国のGDPの約6%に相当する。

 しかし、ADASの普及率は不十分で、普及増加ペースも年2%から5%に過ぎないという。ADAS導入が進まない理由として、消費者が購入を望む金額より高額なことと、機能の認知度が低いことを挙げた。

 調査の詳細は、BCGの調査レポート「A Roadmap to Safer Driving Through Advanced Driver Assistance Systems」で確認できる。同レポートでは、衝突回避、死角検知、ナイトビジョン、車線逸脱警告、駐車支援といった7種類の運転支援技術を取り上げている。

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